引継ぎという行為を通じて、業務プロセスを見直すきっかけを掴み、働き方改革につなげるという話です

日本企業と欧米企業の引継ぎの違い

会社組織では異動はつきものです

そこでは業務の引継ぎが必ず行われます

その引継ぎのやり方が、日本企業と欧米企業では異なるという話しがネット記事にありました

Howにフォーカスしているか、Whatにフォーカスしているかの違いとして整理できるのではないかと思いました。
Howにフォーカスした引き継ぎというのが、タスク、プロセス、システムなどを重んじるマニュアル的なやり方。一方、Whatにフォーカスした引き継ぎというのが、「このポジションに求められている期待値はこれです」とだけ伝えて、「具体的なやり方=Howは、責任者であるあなたが考えて進めてください」というやり方のことです。

– 面倒な「引き継ぎ」をポジティブな「未来創造の場」へと変える発想の転換 | 未来を変えるプロジェクト by iX(アイエックス

Howが日本企業で、Whatが欧米企業だそうです

双方で働いた経験のある方の話しでした

どっちが良い悪いという話しではありません

私の引継ぎ体験

この4月に私も異動があり、引継ぎ先と引継ぎ元の両方を行いました

その時の経験ですが、ネット記事にあるとおり、私の場合もHowにフォーカスされているなあと思いました

手順書にこだわってしまったのです

引継がれる業務の場合、引継ぎ元は、なんと全く手順書がありませんでした

引継ぎ元の本人曰く「急な話だったので」

引継ぎ対象がスタッフ業務のため、タスクを止めることができないこともあり、急を要する業務はやりながら、私が口述記録をして手順書を作ることを選択しました

しかし、すべての業務をこの方法で引継ぐことはできません

というのも、私には引継ぎ業務の他にも、別の業務があるからです

引継ぎ業務の各タスクにかかる概算時間を引継ぎ元に算出してもらった結果、その業務の4割を削減しなければならないことが分かりました

そこで、辞めるタスクを洗い出し、責任者に報告して、辞める承認をもらって、4割を削減する見通しをつけました

どうやって辞めるタスクを洗い出したかというと、タスクの目的に着目して、その目的は賞味期限切れかどうか評価したのです

ネット記事が言うところの「What」に注目したのです

タスクを実行する手順の大元には、本来、目的があったはずです

しかし、その担当者はタスクを実行することを目的となってしまって、その大元の目的が賞味期限切れかどうかを考えることができない状態になっていました

実際、その担当者は、「このタスクはやらなければならないのです」とやることが前提であるかのような発言をしていました

一種の囚われですね

辞めるタスク、続けるタスクを選別したあとに、ひとつずつタスクの引継ぎを行い、6割に収めるようにしました

また引き継ぐ手順も、細かいところで妥当性を検証しました

具体的には、同じ業務をしている別の社員に当人の手順を聞いて、必要に応じて引継ぎ元から言われた手順を修正したのです

引継ぎが教えること

こうして引継ぎがほぼ終わり、分かったことがありました

それは、業務の引継ぎという行為は、業務の見直し(イノベーション)の機会ができるということです

今回の引継ぎが無ければ、引継ぎ元の担当者は、疑うこともなく、これまでのやり方を踏襲していたでしょう

しかし、今回私が介在することで、「この業務は妥当なのだろうか」というWhatに着目することができたのです

昨今、働き方改革が叫ばれています

私の場合は、引継ぎという行為を行うことで、当初の業務の4割を削減することができました

この体験を通じて、働き方を改革するきっかけが得られるなあと感じました