会社とはどういう組織であるべきか

アメリカの社会学者マッキーバーは、自然的結合により作られた集団をコミュニティ、人為的に作られた集団をアソシエーションと分類しました

この定義によると、会社はアソシエーションに位置づけられます

その定義をスーパー大辞林から引用しましょう

アソシエーション

アメリカの社会学者マッキーバー(R.M. MacIver[1882〜1970])が定式化した社会類型の一。村落・都市などの基礎社会の中で,共通の利害関係に基づいて人為的につくられる組織。会社・組合・サークル・学校・教会のほか,家族も含まれるとする。結社体。

スーパー大辞林

この定義にある「共通の利害関係」を社員を実感していることが重要です

利益と損失を共有できなければ、会社とは呼べないからです

もっと分かりやすく言うと、会社の利益が社員の損失となってはいけないのです

会社の利益は社員の利益でもあるし、社員の損失が会社の損失になっていないと会社として成立しないとマッキーバーは言っています

会社側の立場にある経営者や管理者は、社員が共通の利害関係を感じることに気を配らなければなりません

共通の利害関係を維持するために

社員は何かの目的を持って、会社に入ったはずです

  • 一流の営業になりたい、技術者になりたい
  • 幼い頃からの夢を実現したい
  • この会社の事業に参加したい
  • 社会に貢献したい
  • 自分の力を試してみたい

「この会社が掲げているビジョンや目指している目標があるならば、自分の目的が達成できる」・・・そんな見込みや、ある種の共感があって、会社を選んでいます

そして、共通の利害関係を抱きながら入社したはずです

ところが、ひとたび入社し日々の会社生活に慣れきってしまうと、その利害関係はいつの間にか薄らいでしまうことはままあります

しかし、ここに会社と社員の共通の利害関係を維持するためのヒントがあります

会社がもつビジョン・目標を改めて読み返すと同時に、この会社で働くことで自分が成し遂げたいと思っていたことを思い返すのです

そのことについて、職場の上司や同僚たちと話し合うのです

その行為の中から、共通の利害関係を築き直すのです

これがX社の風土改革で行っている共感教育「ビジョン・目標を浸透させる」です

こうして、社員が会社との利害関係を確認できれば、社員が一丸となって「最高の結果を残したい」という気持ちになれるし、「もっと自分にできることはないだろうか?」と誰もが考え、自分の持てる力を最大限に発揮しようとするでしょう

会社に活力が蘇る瞬間です