在宅勤務で仕事の仕方が変わる話しをしたいと思います

開始・終了メール

うちの会社では在宅勤務を行う際のルールがあります

  • 事前に上司に申請して承認を得ること
  • 在宅勤務を開始するときと終了するときに上司にメールを出すこと

後者のルールによって、今から在宅勤務が始まることと終わることを上司に伝えます

在宅勤務が始まる前からWindows環境が社員全員に配布されており、Windowsにサインイン、サインアウトした時刻が記録され、勤務表に連動しています

これはサービス残業をさせないように就業時間を把握するための仕組みです

自動で打刻するタイムカードのようなものです

この仕組みがあるので、就業時間を把握するのであるなら「わざわざ開始メールと終了メールを送信する必要があるのかなあ」となんとなく釈然としない気持ちでルールを受け入れていました

単なる連絡のつもりが・・・

開始メールはこのような内容です

(上司の名前)さん、
本日の在宅勤務を開始します。以上

そして終了メールは次のようになります

(上司の名前)さん、
本日の在宅勤務を終了します。以上

開始と終了を知らせるだけのメールなので、これだけでルール上は問題ないのです

在宅勤務をはじめたころは、週に1回程度の在宅勤務だったので、開始メールと終了メールの送信にさしたる抵抗はありませんでした

ところが新型コロナウイルス対策の影響で4月に入ってから毎日の在宅勤務が続いています

この単なる連絡に過ぎない開始メールと終了メールを毎日送ることになります

すると次第に自分の中に変な意識が芽生えてきたのでした

芽生えた意識

わたしのようなベテランになると、細かく上司から作業指示を受けることはありません

期初に目標管理面談を行って目標と大まかな仕事の進め方の合意をすれば、期中に数回中間報告をする程度で、あとはほとんど任せっぱなしです

事務所でも顔を合わせるので、「大丈夫?」「はい」というような情報交換をする程度で、よほど込み入った用件でもない限り上司に対してメールを送ることはありません

ところが、在宅勤務となると、上司との連絡手段はメールか電話、ビデオ会議ぐらいしかありません

このような状況で、上記のような開始メールと終了メールだけを毎日送ることに、なにか違和感を感じるようになるのです

どういうことでしょうか?

そうなんです

単なる開始・終了の連絡メールを送るだけで良いんだっけ?

という余計な心配が出てくるのです

これは会社の事務所で顔を合わせているときには決して起きなかった感覚です

そしてどうなったかというと、この連絡メールに次のような内容を加えることになったのです

(上司の名前)さん、
本日の予定であった以下の作業が終了したので、在宅勤務を終了します。
 ・(作業内容1)
 ・(作業内容2)
                            以上

このように「・・・が終わりましたので」という終了条件としての作業内容を示すようになってしまうのです

そして、作業内容を書くということは、仕事を始める前に、「今日は何をやろうか」という作業計画を立てないといけなくなるのです

もちろん、大まかな作業計画というのは、目標管理面談のときに上司に話しています

しかし、毎日が在宅勤務となると、大まかでなく1日という細かいレベルでの作業項目を立てざるを得なくなるのです

そして、上司に細かいレベルの作業項目を話すと「これでいいんだっけ?」と自己チェックが入ります

与えられた仕事に対して、より自分事として考えるような姿勢になってしまう・・・

そんなことに気づいたのです

このルールが教えること

私の体験は、神経が図太い人や、「ルールなんだから単なる連絡メールを送れば良いんだよ」とクールな人には起きないかもしれません

しかし私と同じな感覚を持った人には、この開始・終了メールというルールは、自分の仕事に対する意識を変えるきっかけを与えるのです

また上司からしてみると、細かいレベルの仕事状況が見えるようになり、お互い信頼関係が高まる方向に作用します

在宅勤務の開始・終了メールが、「仕事の取り組み姿勢を変える」という意図を持って導入されたかどうかは知りません

私もそんなことまで想像できませんでした

しかし、このルールによって、私は仕事の取り組み姿勢が変わってしまったのは事実です

ご参考

管理職の方へ

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