部下の話の途中で遮っていませんか

白井一幸さんは日本ハムファイターズに1983年ドラフト1位で入団し、現役引退後は日本ハムの二軍監督、一軍ヘッドコーチを務めている人で、「神コーチング~人が育つ言葉」と著者です

その白井さんが皆さんのようなリーダーの方に問いかけています

多くのリーダーは、部下に対してアドバイスをしようとします。そのため、部下の話を途中で遮って意見を言ったり、否定したりしている人も多いのではないでしょうか。

「何かを教えなければ上司ではない」というのは間違い |日経ビジネスオンライン

この問いかけを聴いて「耳が痛い」と思った管理職の方もいらっしゃるのではないでしょうか

私が会社でお会いする管理職の方々を見ても、こういうタイプの方は結構な確率で存在します

こういうタイプの方のお話をしているときに、こちらから話し始めようとすると、それを聴こうとせずに、一方的に自分の意見や考えをとうとうと話し続けます

「この人は人の話を聞けない残念な人なんだな」と思い、この人とは分かり合おうと思うのはやめようと心に決めてしまいます

こういう人がリーダーの立場であったりするので、「この組織は大丈夫だろうか?」と疑心暗鬼を生じてしまうのです

耳は2つ、口は1つ

私は職場で1on1ミーティングに取り組んだことを以下の記事でお話ししました

ここで学んだことですが、上司が話している時間が1on1にかけた時間の半分を超過してしまうと、その1on1は失敗となります

私は傾聴教育の講師を行いますが、そこでは「耳は2つ、口は1つ」と傾聴のコツを教えています

これは「話した時間の2倍の時間をかけて聴きなさい」という意味です

1on1では、上司と部下の話す時間の割合は、「3:7」と考えた方がいいでしょう

白井さんは、聴くことの効用を以下のように説明しています

 何かを伝えなければ、何かを教えなければ上司ではない? そんなことはありません。効果的な質問をして、聞くことに徹することで、相手の考えは深まっていくのです。アイデアややる気も湧き起こってきます。

「何かを教えなければ上司ではない」というのは間違い |日経ビジネスオンライン

マネージャーの本質は「他者を通じてものごとを成し遂げること」です

マネージャー一人ではできないことを、他者の協力を得ながら、自分に課せられた目標を成し遂げなければなりません

このときに、「上司が部下にやらせる」のと、「部下が自らやってくれる」のでは、マネージャーにかかる負担は大きく異なります

部下の中からアイデアややる気が沸き起こってくるような上司のかかわり方は、教えることに徹するのではなく、部下の自発性を促すような質問を交えながら聴くことに徹する方が、「部下が自らやってくれる」ようになります