前回は、傾聴サロンの進め方についてお話ししました

風土改革の施策として使われました傾聴サロンは、それ以前から存在する活動でした

ここではその原点をお話しし、組織風土改革に生かされるに至った経緯についておはなしします

社員のメンタルを元気にしたい

傾聴サロンを開始したきっかけは、直前に行われた従業員意識調査で「仕事のプレッシャーが大きすぎて悩む」というポイントが高いことが分かったことです

そこで私が数年前から行っていたコミュニケーション講座「傾聴入門講座」を社員の誰もが受講できるようにし、その復習講座として「傾聴サロン」を開催することにしました

「傾聴入門講座」は、傾聴のテクニックだけを教えるのではなく、傾聴によって、個人の置かれている状況を冷静に把握し、悩みと感じる思考の癖を見つけ出し、「それって本当なの?」と反駁することで新たな気づきを得、思考と行動を変え、悩みの解消に繋がることも教えていました

この講座はロールプレイを多く盛り込み、体験を通じて、その効用を体感できるように設計されていますが、2時間の講座を受けただけで、劇的に変わるようなものではありません

そこで、入門講座を受けた受講生が、そこで学んだ技法を復習し、「できる」レベルまで引き上げることを支援をする場として、「傾聴サロン」を用意しました

このファシリテーションは「傾聴入門講座」の講師である私が行い、定期的に開催されました

ここでは、「傾聴入門講座」で教えた4つの技法を使って、聴き手に他者尊重の態度を促し、話し手との間の心理的安心空間を築き、話し手の思考の癖の元となる価値観に明らかにするように支援しました

傾聴サロンの参加者の感想からも、その効果を読み取ることができました

  • 自分の悩みを話しているうちに、どうして悩んでいるのか少しわかった
  • 問い返しに答えているうちに自分の悩みが別のところにあったことに気づかせていただきました。すごいです
  • (傾聴サロンに3回出席し)同じ悩みを3回話しましたが、毎回違う気づきがあります
  • 話し終えて、聴いてもらって、気持ちが少し整理できたと思う
  • まだ十分な解決には至らないけど、自分の中で前回とはちがう整理ができた
  • 自分は悩みを話さない人間だということを改めて理解した
  • 話し手としては、話すことで気づきがあり、WさんとNさんが上手に聞き出せてくれて正直うれしかったです

このようにして、仕事のプレッシャーに対する耐性を強化する、個人の能力を開発する取り組みが傾聴サロンでした

簡単に言うと、社員個人をメンタル的に元気にする活動です(つづく