そのボールペンに名入れをするためにモンブラン銀座に出向いた。
店員に渡そうと鞄から取り出したところで、肝心のボールペンを持っていくのを忘れたことに気づく。
自分の犯した過ちに落ち込んだ。

  • なんでこんな単純なミスを犯したのだろう。
  • なんで鞄に入れるところを確認しなかったのだろう。
  • なんでまた銀座までいかなければならないのだろう。

後悔で弱気になってしまう。自己批判。
「まあいいや。また銀座の近くまで行ったときにでも寄れば。」という気持ちになれない。

白黒思考。完璧主義。

「なんでも完璧にできないと。」
「折角の休みなんだから、スケジュールをしっかり立てて、時間を有効に使わなければ。」

「成功か失敗か」、「100点か0点か」という白黒つける考え方は非常に危険。それを自分に向け、自分を責める。しかも責めたところで、その答えはない。過去を変えることができないのだ。

こんな考え方に慣れている人は、きっと他人の取った行動にも同じ評価を与えがちだ。答えのない詰問を他人にも向ける。そして落ち着く先は再発防止の注文付け。

件の店員は、気の毒そうに「どちらからいらっしゃいましたか?」と訪ねた。

「そこからでしたら、池袋の西武でも名入れを承ることができますよ。できあがったものは郵送でもお送りすることができます。」とのこと。

そうなんだ。

池袋でも頼めるなら、アフターサービスも銀座に限らず池袋でもできるんだな。そのことが分かっただけでも、今回の件で20点ぐらいは付けてあげても良いのかも。