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「戦争はという過ちを二度と繰り返してはいけない」

「このことを後世に引き継がなければならない」

そんなことを思わせる本を読みましたので、ここで紹介したいと思います

それは安斎育郎さんの著書「戦争と科学者」です

爆発物、毒ガスなどの化学兵器、細菌兵器、原水爆の開発したのは、紛れもなく科学者たちです

彼らは知的好奇心に駆られ、これらの非人道的な兵器の開発に加担しました

本書ではその科学者たちを取り上げています

兵器を開発した科学者の中には葛藤し苦悩した科学者もいますが、自ら進んで開発した科学者もいました

後者の科学者たちは、

  • 国家に貢献したいという思い、
  • 職業上の地位の保全、
  • 戦争の早期終結と自国民の救命に貢献したいという妄念、
  • 敵が危険な兵器を開発しているという思い込み、
  • 自分が初めてではなく、前例があるという主張、
  • 自分が開発に関わった軍事技術は「より人道的である」という誤った釈明

といった自己の行為を正当化する、あるいは非難や悪評を免れるために、このような言い訳を持ち出したと著者は断罪します

しかしながら、科学者だけに罪を負わせるのは酷でしょう

このような非人道的な兵器の開発に彼らを招き入れたのは時の権力者たちです

民主主義に生きている我々市民は、科学者が戦争に動員されるような状況を招来しないよう、敏感にその予兆を感知し、時には権力に抗うことを恐れずに生きる姿勢を貫き通さなければならないと筆者は述べています

このような過ちを繰り返さないためには、教育しかございません

教育関係者の方々には是非本書を手に取って欲しいと思います