close up photo of man smoking cigarette
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室町時代の人たちにはグローバリゼーションの世界を生き抜く知恵があります:「室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界」清水克行著

今日は清水克行さんの著書「室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界」を紹介します 日本中世史には道徳的な人物がいない? 日本中世史の学者である著者は、小学校の道徳の教科書には日本中世(平安時代後期〜戦国時代)の歴史上人物が取り上げられていないことを知り、当時には道徳的な人物が少なかったと...
silhouette of people by the seashore
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竹倉史人さんの著書「土偶を読む」は既得権益層からのアカデミズムの解放であり、このアプローチは政治やビジネスの分野の人たちに勇気を与えるものです

竹倉史人さんの著書「土偶を読む」を読みました 今回はその著書についてお話しします 謎解きの新たなアプローチ 考古学者でも縄文研究者でもない著者が土偶の謎を解いていくというお話です 大辞林によると、土偶は主に呪術的・宗教的意味をもたせて作られたと書かれています これに対して著者は「土偶は縄文人が食べてい...
close up of police car roof and sign
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職場で嫌われがちな「正論くん」も清さが備わればヒーローになれると思いました:今野敏さんの警察小説「隠蔽捜査」

職場で嫌われる正論くん あなたの職場にもいないでしょうか 原理原則を振りかざして異論を唱え、仕事を増やしたり、進捗を停滞させ、疎まれている人です 我が社ではこのような人を「正論くん」と呼んでいます 日本の会社では、原理原則より人間関係や組織の円滑さが好まれるため、正論ばかり唱えず、あえて曖昧のままにし...
brown and yellow book on blue textile
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日本の入管制度の課題を解りやすく知ることができた中島京子さんの小説「やさしい猫」でした

スリランカ出身の女性が入管施設で十分な治療を受けられずに死亡した事件はしばしば報道されているので、皆さんの記憶に新しいかと思います 細かな経緯や背景が報道されないため、私たち日本人にはこの事件の論点が中々掴みづらいところがあります 中島京子さんの小説「やさしい猫」はそのような人たちに、日本の入管制度が...
man wearing white shirt inside building
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「故人の記憶を皆が忘れ果てても、その人の行いが世に残る限り、この先もこの世にその人は生き続ける」そんな人でありたいと思わせる澤田瞳子さんの小説「輝山」でした

澤田瞳子さんの「輝山」を読みました 仲間を思いやる姿に泣けるところあり、謀略に立ち向かう行動に胸のすくところありと、幾重もの美味しい読了感を読者に与えてくれる作品でした 作品の構成 江戸時代の石見銀山で働く人々の六つの物語からなる作品です 物語は其々で完結していますが、登場人物は共通しています また六...
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「人は信じたいものを信じる」:悲劇を繰り返さないためにも歴史から学びましょう:戦後ブラジルで起きた日本人による「勝ち負け抗争」について

葉真中顕さんの「灼熱」を詠みました 600ページ以上ある大作を週末の二日で読み切ってしまいました 日本人同士が殺し合う勝ち負け抗争 戦前にブラジルに移住した20万人の日本人が、太平洋戦争の結末をめぐって、戦勝派と敗希派に分断し、同胞同士で憎しみ、殺し合う物語です 戦勝派は大本営が発表した日本の勝利を信...
selective focus photography of microphone on microphone stand
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ウーマンラッシュアワーの村上大輔さんは、多くの日本人が普通だと思っている「普通じゃない日本」を変えてくれそうな気がするので、今後の活動に期待しています

今回の「楽しいヒト」の紹介は、ウーマンラッシュアワーの村上大輔さんです 彼の著書「おれは無関心なあなたを傷つけたい」を読みました 大学生の子供にも読ませたいなあと思わせる本でした 村上大輔という人 村上さんはテレビで政治的発言をネタにした漫才をやって、テレビで見ることがほとんどなくなりました 年に一度...
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「何もなかったと思われるのが一番悲しい」:思い出を失うことは自分を失うことに近いと感じる人がいることを忘れてはいけません:陸前高田の津波と広島の原爆

災害は二度の喪失を人々にもたらす 瀬尾夏美さんの「二重のまち/交代地のうた」という書籍を読みました この本は東日本大震災の津波被災地を題材とした書籍です 陸前高田では津波で多くの犠牲を払いましたが、二度と津波で悲劇を繰り返さないようにと地面の嵩上げを行いました 二重のまちとは、埋め立てられたまちと嵩上...
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直木賞受賞作品「熱源」はものの見方を変えさせる小説です

2019年下半期の直木賞受賞作品「熱源」(川越宗一著)を読みました 読み応えのある作品でした サハリン(樺太)という極寒の地に命の源である熱を感じながら、あるいは感じていたいと思う人々の物語です サハリンの先住民(アイヌ、オロッコ、ニクブン)、ポーランド、ロシア出身の登場人物の熱い思いが描かれています...
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電子書籍考(まだまだ電子書籍に完全移行できません)

電子書籍の使い方 電子書籍は使っています と言っても、かなり限定的です 無償の本をダウンロード リーダは専用機ではなく、スマホのアプリをダウンロード 一応専用機も持っています 楽天Kobo 初期型のモデルをキャンペーンで入手しました 軽くて読みやすいのがいいですね でも、これから紹介する電子書籍の持つ...
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読書記録「書店主フィクリーのものがたり」

注意:ネタバレあり 書店主フィクリー 新聞の社説に紹介されていた「書店主フィクリーのものがたり」 妻ニコルを亡くした書店主フィクリーは、荒れた生活を過ごしていたのですが、所蔵していたE.A.ポーの稀覯本「タマレーン」を盗まれ、自暴自棄になっていたところに、店内に捨てられていた2才の子供マヤを育ているこ...
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自由市場資本主義の暗黒面に向き合う経営者はいるのだろうか?

自由市場資本主義は、利益が公正な方法で得られることも、公正な方法で分配されることも保障できない。それどころか、人々は利益と生産を増やすことにとりつかれ、その邪魔になりそうなものは目に入らなくなる。成長が志向の善となり、それ以外の倫理的な考慮というたがが完全に外れると、いとも簡単に大惨事につながりうる。...
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人々が縛られるもの:文化

農業革命以降、人間社会は次第に大きく複雑になり、社会秩序を維持している想像上の構造体も精巧になっていった。神話と虚構のおかげで、人々はほとんど誕生の瞬間から、特定の方法で考え、特定の標準に従って行動し、特定のものを望み、特定の規則を守ることを習慣づけられた。こうして彼らは人工的な本能を生み出し、そのお...
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人生100年時代を労働力不足解消の答えとしてはいけない

人生100年時代は人生設計の新しい見方 リンダ グラットン, アンドリュー スコット他の著書である「ライフ・シフト」を読みました この本を手に取った目的は、「人生100年時代において、自分が老後をどのように生きるのがよいのか?」を考えるヒントをもらいたかったからです 私は、平均寿命+5才を想定して、フ...
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小田嶋隆と岡康道の対談:大学時代の自分に愛着を抱かせる楽しいヒトたちです

彼らと共有できるから面白い コラムニストの小田嶋隆氏とクリエイティブディレクターの岡康道 この二人は小石川高校と早稲田大学の同窓生です 日経ビジネスのWebページでの対談を時々見ていましたが、それをまとめた本を読みました 彼らは年上ですが、対談で出てくる音楽やテレビなどのエピソードを読んでいると、同じ...
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「昨日がなければ明日もない」宮部みゆき

東京新聞のベストセラーに挙げられていた本 探偵物を含む推理小説は、謎解きに引き込まれ、巧みなトリックとか、ストーリーの伏線を楽しむことが多いが、謎解きが終わり本を閉じると、「ハイ、おしまい」となってしまう もちろん、ストーリーの巧みさに感激して余韻が残ることもあるが、どちらかというとポジティブな感情が...
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命を託す相手と出会えたものはそれだけで幸せと思っているから、託された人は命を粗末にしてはいけない

「陽炎の門」(葉室麟)を読んだ。 主人公主水は、綱四郎(妻由布の父)という友と主水に憧憬する若者与十郎がいた。暴君興世の策略の中で、二人を自らの手で死なせたことに苦しむ主水に、由布が伝えた言葉、 「すべてのひとは永久(とこしえ)に生きられはいたしません。ですから、自らの命を託す相手と出会えた者は、それ...