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スリランカ出身の女性が入管施設で十分な治療を受けられずに死亡した事件はしばしば報道されているので、皆さんの記憶に新しいかと思います

細かな経緯や背景が報道されないため、私たち日本人にはこの事件の論点が中々掴みづらいところがあります

中島京子さんの小説「やさしい猫」はそのような人たちに、日本の入管制度が持つ課題を解りやすく提示しています

スリランカの男性と結婚した日本人女性が裁判を経てザイトク(在留特別許可。不法滞在している外国人が特別に在留を認められる許可)を獲得していく物語で、女性の連れ子と3人の家族愛が涙を誘います

こちらのニュース番組では、在留特別許可は入管職員の裁量で認可されることが多く、明確な基準が設けられていないことや、入管法が国連からの改善勧告を受けていることを指摘しています

日本で暮らしていくには多くの障壁を乗り越えないといけないことは在留外国人の誰もが知っているのですが、そのことをほとんどの日本人が知りません

この日本の制度が海外から厳しい目を向けられていることも認識しておいた方がよいでしょう

この小説はこのような日本人に学びを与えてくれると思いました