⑥ 1on1ミーティング
ステップ2の2つ目の施策が1on1ミーティングです
ヤフーで実践している1on1ミーティングは、マネージャによる「支援と共感」の場を部下に提供し、部下の才能と情熱を引き出しています
このような他社事例を有識者と数ヶ月にわたって研究し、「社員の思いを知り、共感する対話が、遣り甲斐を育てる」という仮説を立て、1on1ミーティングのパイロット実施を開始することにしました
課長の選抜
この上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングでは傾聴の技法がポイントであることが分かりました
ステップ1で組織長に傾聴を教えましたが、必ずしも全員が使いこなせているとは言えません
そこで、1on1を実施するに当たって、35名いる課長の中から、この5名であれば問題ないだろうという課長を選抜しました
実践
彼らに、1on1の主旨を説明し、同意を得た上で、実施計画にまとめ、経営トップの承認を得た上で、3ヶ月間試行しました
1on1を行う前に、5名の課長には傾聴技法の復習を行い、特に、1on1で話すテーマは仕事にこだわらず、プレイベートなこと、部下の気にしていることなど何でもOKとし、お互いに共感できるポイントを探るような対話を行うことに注文をつけました
結果が示す示唆
その結果、1on1をやる前と3ヶ月の試行を終えた後のアンケート結果で、「遣り甲斐を感じている」と設問に対し、20ポイントアップした職場が2つでました
また、その後の組織風土改革の活動に大きな示唆を与えることとなった、新たな発見がありました
それは、「社員の遣り甲斐」と「社員の組織目標への共感」には強い相関があることが分かったのです
これは、部下をマネジメントする課長に対して、有益な示唆を与えています
課長による振り返り
試行が終わった後、5名の課長を集めて、振り返りを行いました
遣り甲斐のポイントをあげた課長からの振り返りでは、「部下を否定せずに受容すること」、部下の「気にしていること」や部下の「内なる欲」を把握すること、部下の気づかない「異なるモノの見方」を課長が与えることができた、ということが話されました
一方、ポイントが上げられなかった課長の反省点からは、話しを誘導するような働きかけを行ってしまったことや、部下のひとり一人が異なる仕事をしており、組織として共通の目標を上げることが難しいという、マネジメントの課題を浮き彫りにしました