養成塾で行っていること
社内でプロマネの養成塾を運営しています
プロマネの仕事のベストプラクティスを集めたものにPMBOKというものがあり、それをベースにスキルを磨けば、プロマネとして通用します
なので、私がテキストとして使っているものもPMBOKです
但し、私がこの養成塾を立ち上げた目的は別にあります
それは「自律、協業、自学」でいる社員の育成です
自分で考えて行動ができ、仲間と一緒に仕事ができ、卒業した後も自分で学習することのできる塾生を輩出することが養成塾の使命なのです
詳しくは述べませんが、講師はコーチングのスタイルで、経験学習の手法を使って教えます
中々卒業できない塾生
Tさんは第1期生の塾生です
他の1期生は全員卒業しました
Tさんは4年経っても卒業することが出来ません
コーチングの時間になっても来ないことや、宿題をやらずに手ぶらで訪れることもありました
私の方にも問題はありました
PMBOKに沿って教えるやり方は、一様なスキルをつけさせようとしてしまうので、「出来ないところ」に注目しがちです
しかし、この「できないところ」を伸ばすのは、お互いにとって辛い作業です
惰性的な関わり合いが続き、4年という時間が過ぎていました
内発的動機を打ち明ける
「そもそもプロマネをやらせることに無理があるのかもしれない」
そんなことを思い始め、Tさんの上司とも相談し、違う職種への転換も考えはじめていました
Tさんは専門知識は抱負で、トラブルシューティングは得意です
それであるならプロマネのようなジェネラリストを目指すより、専門知識に特化したスペシャリストに育てる方が良いのではないかと思いはじめていました
先日、彼とのコーチングで、あるジョブの振り返りをしました
Tさんは、そこでも難しいトラブルシューティングをこなしていました
私が「解決できたときは、達成感があったでしょう」と話し、「あなたは、専門知識も豊富だし、問題解決のスペシャリストを目指した方が良いのではないでしょうか。きっと達成感も多く、遣り甲斐を感じる事ができると思います」と、Tさんの同意を答えを待ちました
ところが、Tさんは私の予想に反したことを打ち明けたのです
「いいえ、私はトラブルシューティングは辛いです。達成感はありますが、それ以上に、この辛い経験を避けることができたらいいと思っています」
私の感覚では、トラブルシューティングを成し遂げた人は、顧客からも同僚からも上司からも称賛され、一目を置かれる存在になり、それは本人に取って望ましいことと思っていました
しかし、彼にとっては、トラブルを起こすことは苦痛で、むしろそうならないようにすることに価値を置いていたのです
この話を聞いて、私は意外でしたが、同時に大変うれしかったです
というのも「ああ、やっと彼は自分の本心を打ち明けてくれたんだ」と感じたからです
プロジェクト管理技術を学ぶ動機を打ち明けてくれたからです
私のやることがこのとき決まりました
PMBOKのリスク管理を彼に身につけさせることです
4年の年月をかけて、やっと芽を出した感じがしました
これから彼とのコーチングが楽しみとなってきました