映画「超高速!参勤交代リターンズ」は、湯長谷藩のお取りつぶしを画策する幕府老中松平信祝(のぶとき)に藩主内藤政醇(まさあつ)が立ち向かっていく物語です
因縁の対決のシーンで両者が語った言葉が印象に残ったので、引用します
(松平信祝)
「この世は生まれがすべて
持って生まれた金は更なる富を生む
貧乏人は這いつくばってすべてを我らに差し出せば良いのじゃ」(内藤政醇)
「超高速!参勤交代リターンズ」
「違う
生まれではねぇ
人の大事は誰と出逢ったかだ
人は宝だ
友は宝だ」
選択によって人生を作るか否か
「金と人」という価値観の違いと捉えることもできますが、私は彼らのセリフに「選択」の違いを読み取りました
内藤政醇は「出逢い」の大切さを語ります
出逢いには選択を伴います
「この人と出逢いを良いものとするのか否か」といった選択です
一期一会といってもいいでしょう
そして、その選択によって自分の人生を作っていくという前向きさがあります
一方、松平信祝は持って生まれたもの、身分や財産がありきの人生です
それは松平信祝にとって「与えられたもの」であり、「それがすべてである」とまで言い切ります
そこには、選択によって人生を広げていくという考えがありません
むしろ与えられたものに考え方が縛られ、行動が狭まっていくという生き方です
幕府老中と藩主、同じように人の上に立つ人であっても、考え方一つで生き方が大きく変わってしまうことを考えさせるセリフでした