前回は、傾聴サロンの生い立ちの前半をお話ししました

今回はその後半についてお話しします

職場を元気にしたい

一年ほどして、当社に不適切会計問題が発覚する事件が起きました

組合のアンケート調査や会社の従業員意識調査の結果が示す課題が、不適切会計問題を生む出す土壌になったというのが、現在の経営陣の理解となりました

そして、組合のアンケート調査が指摘する「コミュニケーション不全」、従業員意識調査の結果に現れる「素直に発言できる」、「意見を述べる機会がある」のポイントが低下、経営層が感じている「経営層の声・思いが伝わっていない距離感」の原因には、「言いたいことが気軽に言えない」、「自分の大切な価値をわかってもらえない」という社員の諦めや孤独感にあるのでは?と考えました

一方、傾聴サロンの参加者の感想には以下のようなものもありました

  • 何でも話してよいという雰囲気の中で、話しやすかった。また話すことがなくなったときに適切に質問してもらえて話を続けることができた
  • 職場でも、チームでも、そのような信頼関係が築ければ、より厚みのあるディスカッションができると気づかされた

このことから、この風土を改善するには、傾聴サロンで教えている他者尊重の態度や、価値観の共有が役にたつのではないかと考え、経営層自ら傾聴を体得し、オープンなコミュニケーションを再生するという方針を打ち出しました

これにより、職場毎に様々な形態の傾聴サロンが実施されることになります

経営陣を始めとした組織長は、組織の要です。その彼らが組織長の言える化を通じて、自らの能力を開発すると言うことは、組織を開発することと同じです

これにより、傾聴サロンは、今までの個人を開発していた段階を経て、組織を開発するという取り組みを行うこととなりました

以上が傾聴サロンの生い立ちとなります(つづく