こちらの記事で在宅勤務の不安について話し合ってみようということを書いてみました
そうこうしていたら、パーソル総合研究所が「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」を発表していたことに気づきました(2020年6月10日、こちら)
今回は、この調査報告の内容を紹介しながら、職場の管理職の方々が気をつけておくべきことについてお話ししたいと思います
テレワークにおける部下と上司の不安
パーソル総合研究所の調査報告は、部下の不安だけでなく、上司の不安も紹介されていますので、両面からテレワークの実態を確認できます
まず部下の不安は以下のカテゴリの質問項目があります
- 評価不安
- コミュニケーション不安
- ジョブアサイン不安
- キャリア不安
- 非テレワーカーとの関係性不安
この中で不安の1位になっているものが「相手の気持ちが察しにくい」(39.5%)で、2位は「仕事をさぼっていると思われないか」(38.4%)だそうです
コミュニケーション不安カテゴリが1位で、評価不安カテゴリが2位ですね
一方、上司の不安のカテゴリは
- 評価不安・疑念
- コミュニケーション不安・疑念
- ジョブアサイン不安・疑念
- 管理不安
この中で不安の1位は「業務の進捗が分かりにくい」(46.3%)で、2位は「相手の気持ちが察しにくい」(44.9%)だそうです
管理不安のカテゴリが1位で、コミュニケーション不安・疑念カテゴリが2位ですね
両者ともコミュニケーションに関する不安は大きいようです
テレワークでは相談と雑談がやりにくい
コミュニケーションで私が気になった調査結果は、「報告、連絡、相談、雑談」に関するものです
これらのコミュニケーションは、対面よりも非対面の方が行われない傾向があるそうです
特に「相談、雑談」が著しいそうです
「報告、連絡」はそれを受け取る上司も仕事でしょうから、部下も遠慮なくできます
ところが「相談、雑談」については、「今、話し掛けても大丈夫だろうか」といった上司の様子や顔色を伺いながらするものです
テレワークでは上司の様子や顔色を伺うことができないので、どうしても相談・雑談をしにくいのでしょう
相談や雑談でできないことのデメリット
相談は、問題が発生した場合や難しい判断が必要となった際に、部下が上司にするものです
この相談がテレワークでやりづらいと感じて相談が遅れてしまっては、仕事やプロジェクトの進捗に大きな影響を及ぼし、未然に防げたリスクも大きな問題に発展しかねません
雑談も同様です
部下との雑談の中から、「えっ、君はそんなふうに思っていたの?」と部下の勘違いに気づくことはよくあります
そんなとき、慌てて部下の考えを改めさせた経験は管理職の皆さんもお持ちでないでしょうか
問題発生を未然に防ぎ、仕事を効率良く円滑に遂行するためには、相談や雑談ができやすい職場環境を作らなければなりません
Web会議の落とし穴
管理職の皆さんの中には、上記のような課題を既に感じており、コミュニケーションを良くしようと毎朝部下を集めたWeb会議を設定している方もいるでしょう
この調査報告では、テレワークで使われるコミュニケーション手段として、メール、チャット、電話、Web会議・テレビ会議をあげていますが、「Web会議・テレビ会議」は他の手段に比べると相談や雑談が行われにくい」という結果を報告しています
やはり、他の人たちが参加するWeb会議・テレビ会議では、相談しにくいということもあるのだろうと思います
「それでは、どうすれば良いのか?」ということになりますが、部下が話し掛けやすい雰囲気を心がけるしかないと思います
こちらの記事にも紹介しましたが、上司が持つ様々な情報を部下に渡すPush型の管理方法を勧めたいと思います