彼らと共有できるから面白い
コラムニストの小田嶋隆氏とクリエイティブディレクターの岡康道
この二人は小石川高校と早稲田大学の同窓生です
日経ビジネスのWebページでの対談を時々見ていましたが、それをまとめた本を読みました
彼らは年上ですが、対談で出てくる音楽やテレビなどのエピソードを読んでいると、同じ時代を共有しているなと感じる事が多く、懐かしさを覚えます
時折出てくる「三無主義」(無気力、無関心、無責任)は、私の時代の高校生の中で共有する価値観でした
彼らが学生時代に過ごした豊島区と北区は私の生活圏に近いので、なおさらなのかもしれません
このように共有できるものがあるから、彼らの話は読んでいて面白いのだろうと思います
大学時代の回想
彼らの大学時代の回想の中で、地方出身の学生は、東京の大学入学を機会に人生をリセットできると言う話がありました
私は、その全く逆のパターンで、地方大学に入学したのですが、私も人生をリセットしたのかなあと考えてしまいました
そこからは、彼らの大学時代の話をきっかけに、自分の大学時代の回想となります
サークルの仲間たち、学生アパートの暮らし、バイトの仲間、貧乏生活を支えてくれた地元の人たち、教授、研究室の仲間
研究対象としてのインターネットはありましたが、世の中は、固定電話、テレビ、ラジオという時代
人間関係も狭く、そしてとても濃いもので、多くの影響を受けたり、与えたりしました
自分への愛着
回想を続けていると、大学時代という過去での選択の結果が、今の自分に繋がっているのだなあと気づきます
それは、決して「後悔」という感情を伴うものではありません
30年以上までのことだから、後悔しても始まらないということもあるのでしょう
「学生時代の自分」と、「今の自分」は同じなのですが、「学生時代の自分」は客観視できる対象だからでしょう
なので、「今の自分」の内側から湧き出す(嫌な)感情というものが起きないのかもしれません
そして、その回想の中で自分を許し、自分への愛着すら出てくるのです
彼らの本を読んで、心地よい気持ちとなるのは、このような理由があるのかもしれません