こちらのシリーズ記事で書かれている組織風土改革の活動が社長表彰を受けました
組織にイノベーションを起こしたというのがその表彰の理由です
確かに、従業員意識調査で、「職場で素直に発言することができる」は30ポイント以上改善し、国内標準値より20ポイントも高くなったことを考えると、コミュニケーション改善を中心とした風土改革は、一定の成果を上げることができると評価できます
しかし、なぜか素直に喜ぶことができないのです
素直に喜べない3つの理由
素直に喜べないのには、以下の3つの理由があります
(1) 道半ばである
一つは、活動が道半ばであるです
従業員意識調査の「オープンに議論ができる」のポイントが未だに改善されていません
いろいろと施策を打っているが、効果的な策が見つかっていないのです
また私の肌感覚ではあるが、イキイキ・ワクワクしている社員が職場を見渡してもまれであり、全員アンケートをとっても、そこから生まれてくる意見はどこか他人事であることが多いのです
組織風土が大きく変わったと断言できないのです
(2) 活動の推進メンバーが表彰されている
2つめは、被表彰者が組織風土改革の推進メンバーであることです
これまで述べた通り、職場の風土が大きく変わっていないという感覚は私だけではなく、職場の多くの人と共有できる感覚であることを考えると、推進メンバーだけが表彰されることによる後ろめたさがあります
これは受賞が決まった時から推進メンバーで気にしていることでした
その裏付けなのか、受賞パーティに参加したメンバーは管理職ばかりで一般者が少なかったのです
(3) 表彰は慰め?
この4月の組織改正の中で、私たちの開発センターは発展的解消し、一部は新しい開発センターとして再出発します
痛みを伴うものもあります
そのような背景があるので、この表彰は慰めではないかというのが、3つ目の理由です
ある人が「本当にあそこは素直に発言できるようになったのか?」と社長が周りの社員に聞いていると教えてくれました
そんなことも3つ目の理由を裏付ける事実として見えてしまうのです
表彰を逆手に取ってプラスに考える
こんなこともあるので、何か釈然としないものを感じてはいるのですが、この受賞の事実を逆手にとって、「会社も我々の活動を公式に認めてました」と活動を正当化したり、社外に対して、「うちの会社はこんなに頑張っています」「従業員もこれまでの悪い風土の中で必死に変わろうとしているのです」と表明し、同じような風土の問題を抱えている他社の関係者への勇気づけになることはできないだろうかと考え直しています
「お宅の会社には頑張ってもらわないと」と応援してくれる社外の人から声をかけられることもあります
そういう人たちにも「はい。頑張っています。先日、我々の職場は社長に表彰されました」と言い返してみたいと思います
とはいうものの、風土改革は道半ばです
解決しなければならない課題は残っています
社員のモチベーションアップが喫緊の課題です
これまでの活動でこの課題を解決する新たな仮説を得ることができました
それはマネジメント変革に関するものです
これについては、今後も詳しく話していきます