グラーエンのLeader Member eXchange理論では、リーダとフォロワーとの個別で密接なコミュニケーションを通じて、相互信頼や責任感に基づいたパートナー関係を構築することを重視しています
このパートナー関係を構築するための手法として、1 on 1ミーティングの実施をお勧めします
1on1ミーティングの方法
1 on 1ミーティングは、メンバーとの1対1の面談であり、1回30分程度のものを隔週から毎月の頻度で行います
メンバーの仕事の進捗状況を確認するようなリーダ主体の面談とは異なり、部下の考え方を知ることを目的とした面談です
したがって、上司の態度は傾聴であり、上司の考え方を押し付けることは禁じられます
この面談を通じて、メンバーの個人特性を理解し、それに基づいた動機づけに導くことで、メンバーのモチベーションを引き上げます
また、メンバーの真の理解は、メンバーとの信頼関係の構築に繋がります
1on1ミーティングのコツ
なお、部下の考え方を傾聴する際に留意することがあります
それはメンバーの考え方に「認知の歪み」があるということです
例えば、「感情的決めつけ」という認知の歪みは、「あの人はいつも否定的な意見をいうから嫌だ。きっとあの人はこの提案を拒否するに違いない」というものです
このようなメンバーの発言を聞いた時は、メンバーへの問い返しを繰り返して、メンバーの感情と事実を区別するような働きかけをします
このとき、決して自分の考え方を押し付けようとせず、あくまでも「あなたはこう見えていますよ」とメンバーの行動と考え方を鏡に写すようにして、認知の歪みをメンバーに気付かせるように促します
グリーンリーフのサーバント・リーダシップでは、リーダに求められる特性は、傾聴、共感、癒し、気づき、説得、概念化、先見力、執事役、成長指向、コミュニティづくりの10の特性が必要としていますが、この1 on 1ミーティングで必要な特性は、10の特性の中の傾聴、共感、癒し、気づき、執事役に該当します
1on1ミーティングの効果
1 on 1ミーティングによって、あなたとメンバー間の相互信頼や責任感に基づいたパートナー関係を築き、メンバーのモチベーションを引き上げ、主体性を持たせるリーダシップを発揮することができるようになります