今日紹介する映画のセリフは名画「七人の侍」からです
離脱する三人の農民
野武士から村を守る七人の侍のリーダである島田勘兵衛(俳優:志村喬)のセリフです
仲間の侍と戦略を練る中で、勘兵衛は小川の向こうにある3軒の農家を守り切れないと判断し、そこに住む農民を残り20軒からなる部落に避難させる選択を決断します
しかし、3軒の持ち主である農民は他人の家なんか守れないと言って、仲間と離れの方に向かおうとします
その農民の後を勘兵衛は刀を抜いて追いかけ力尽くで戻し、次のようなセリフを言います
離れ家は3つ、部落の家は20だ
3軒のために20軒を危うくはできん
また、この部落を踏みにじられて、離れ家の生きる道はない
人を守ってこそ自分も守れる
己のことばかり考える奴は己をも滅ぼす奴だ
今後そういう奴は・・・
「七人の侍」島田勘兵衛のセリフ
と言って抜いた刀を収めその場を去ります
非常時のリーダーシップの姿を映す
勘兵衛は非常時の時こそ団結すべしと訴えています
勘兵衛の言葉はマキャベリズムそのものです
マキャベリズム
どんな手段でも,また,たとえ非道徳的行為であっても,結果として国家の利益を増進させるなら許されるとする考え方
大辞林
イタリアの政治思想家マキャベリの思想から
勘兵衛は非常時のリーダーシップの姿を映しています
あなたはどちらを選択?
離脱する三人の意志を尊重して自由にさせる選択もあります
最近であると自己責任という名の下に自由にさせるのかもしれません
そういうリーダシップもあるでしょう
勘兵衛は「戦とはそういうものだ」と彼の戦争観から導かれる選択をしました
リーダーの選択が迫られる場面です
その時に必要なのは勘兵衛のような哲学を持っていることでしょう
ところで勘兵衛は「今後そういう奴は・・・」の後に何を言おうとしたのでしょうか
これをテーマに哲学対話をするのも面白そうですね