今日は組織が秩序を保つために必要なことをテーマにします
ハラリ教授が「サピエンス全史」にて、組織の秩序を保つために必要なことは、その組織の規模に応じて異なると説明してます
以下ではその規模に応じて必要なことを記します
小規模な組織では、親密な関係を築く
20〜30人ぐらいの規模の組織であれば、お互いに会話をすることが可能です
20人であれば、20×19÷2=190通りの組み合わせですから、時間をかければ直接の対話を可能でしょう
対話を行って、その人となりや考えや嗜好などを知り、この人とならやっていける・いけないの判断もつくでしょう
直接会わなくても、ある人を介在してその人の噂話を聞くことも可能でしょうから、組織の規模を更に広げることも可能です
しかし、ハラリ教授はこの直接対話による組織の秩序を保つのには150人が限界と言っています
中規模な組織では、ルールを作る
よって、中規模な組織になると、秩序を保つためには、構成員が守るべき規則、構成員の役割や肩書きなどが必要となるとしています
この規模になると、その組織に所属するすべての構成員の噂を聞くことは難しくなるため、自分の知らない人も組織に所属していることになります
そのような人と一緒に仕事をするような場合は、組織が決めた規則、役割、肩書きを後ろ盾として協力を得なければ、組織として秩序を保つことはできません
大規模な組織では、フィクションを信じ込ませる
どんな素晴らしい人が組織の規則や役割などの制度設計を行っても、その組織の規模が大きくなると秩序を維持するには限界が現れます
そこでハラリ教授は、大規模な組織が秩序を保つためには、共通の神話(フィクション)を信じ込ませることが必要だと言っています
これは、企業における「経営理念」とか「企業ビジョン」と呼ばれるものです
このフィクションを信じたもの同士が集まれば、細かなルールを決めずとも、あるいは外部環境の変化で制度疲労を起こした規則や役割があっても、その組織は秩序を保ちつづけます