哲学カフェをやってみました
有志4名を集めて哲学カフェをやってみました
私がファシリテータを務めました
参加者が教育関係者(講師)なので、テーマは「気づきとは何か」にしました
初めに哲学カフェで守るルールを説明した後に、40分間弱の対話を行いました
はじめは自由に話をしてもらって、「受講生に気づかせることは難しいよね」という全体の空気が作られました
それなら「どういったときに気づくのだろうか」という2つ目の新たな問いを私が立てて、それぞれの体験を話してもらいました
この体験は、生徒の体験というより、参加者ご自身の体験です
「人と話しているとき」、「自分が興味を持っているとき」、「視点の違いを受け入れたとき」、「マインドがオープンなとき(対決姿勢でない)」といった発言がありました
残り10分になったので、私が3番目の問い「気づきは大切か」を立ててました
その中の一人が、「新たな知識を知るだけでは気づきは起きず、後になってその知識と自分の体験が結びついて、『そういうことだったのか』と分かったときに気づきが得られるのではないか」という発言がありました
この発言は、3番目の問いの答えではないのですが、私に大きな気づきを与えました
私は学びの4段階というものを信じており、学習することで「知らない」→「知る」→「分かる」→「できる」という4つの段階を経ると考えています
上記の発言は、「知る」→「分かる」の段階の推移には「気づき」が必要であることを示唆しています
よって、先生が教壇に立って知識を生徒に伝授するだけでは「知る」の段階にとどまるので、生徒に知識を活かす体験をさせた後に、知識と体験を結びつけるような先生と生徒による対話(内省)が必要で、その対話の中から生徒が気づき、「知る」から「分かる」の段階に推移させなければならないことが分かったのです
まさに、これは私の「気づき」でしたので、この気づきを私からも発言させてもらいました
私は今回の哲学カフェで「気づき」の「意味」を参加者とともに編み出した感触を得ました
哲学カフェの面白いところ
40分間弱の時間で私を入れて参加者5人で行いましたが、平均一人3回の発言でした
これは意外と少ないのです
しかし、発言していないときは残りの参加者の話を聴いて、それがきっかけとなり自分の考えを多角的に考える機会を与えます
まるで、枝が広がっていくような感覚です
これは一人で考えるだけではできないことです
異なる視点を持つ人たちの意見を聴くことで、自分の考えが広がり、その広がった考えが、参加者全員の考えと絡み合って、一つの意味を編み出す
そんな面白い体験でした
ファシリテータのスキル
今回やってみて気づいた、ファシリテータに求められるスキルを列挙します
- 発言を簡潔にまとめる力
- 参加者の発言を聴き、話の流れを掴む力
- (その流れから)新たな問いを立てる力
今回の哲学カフェのやり取りを録音したのですが、後から来てみると、1の私のまとめは実に長ったらしかったので、もっと完結にまとめる努力が必要だとわかりました
2.は、参加者の発言に対して、傾聴技法の「事柄の応答」と「意味への応答」を使って応答を続けると流れを掴めそうという印象でした
3.についてですが、私の2番目の問い「どういったときに気づくのだろうか」は、話の流れに乗って自然でしたが、3番目の問い「気づきは大切か」は流れに乗っていませんでした
むしろ、残り10分となって、今回の結論めいたいことを得るために、誘導した感があります
私は、有益な気づきを得られましたが、このことが本当に正しいファシリテーションだったのかは自信がありません
哲学カフェの達人に評価をもらいたいところです
また、有志を募って、哲学カフェをやってみるつもりです