週末にインフルエンザに罹った。
いつもの風邪とは違い、喉の痛み、咳、鼻水を伴わず、熱だけが出た。
朦朧とした意識の中でネット検索すれば、この症状がインフルエンザであることがすぐにわかる。
便利な時代だ。
しかも親切に、12時間以上たたないとインフルエンザの検査は陽性反応がでないとまで書かれている。
高熱が出て苦しい時なので、すぐにでも医者に行きたいところだが、ぐっと我慢をして12時間以上経つのを布団な中で待つ。そんな時にふと頭に浮かぶことは、「このまま医者にったら、ネットに書いてある通りの検査を行い、陽性反応が出たら、治療薬を処方され、鎮痛剤と解熱剤を渡されて、お会計」という筋書き。ネットに書かれているから、医者でない私でも想像できてしまう。
そうだとすると、医療行為は医者でなくてもAIが代用してしまわないか。それがそうならないのは、医師という資格とそれを認める医療制度と、その既得権益を守る日本医師会がいるから…なんて、いつもなら考えもしないことを、高熱にうなされた頭が暴走して考えてしまう。
患者の全てが、自分の症状を客観的に表現し、医師に説明できるとは限らない。そのような患者に対して臨床できる能力はまだAIには無理なのかもしれない。
最新医療技術への追随も医師には必要だ。ネットに書かれていない情報を入手する術を持って行くことも大切である。
しかし、こういうことも次第に科学技術が発展し、段階的にAIが代用するかもしれない。
医師のようなプロフェッショナルの存在意義は、時代とともに変わっていくのであろう。
医療制度は、人間社会を効率良く運営するために編み出された仕組みである。そのことに反しないようにしながら、社会の変化に追随していくことが医療従事者に求められることなのであろう。
否、医者に限らず、すべてのプロフェッショナルに。