組織はその目標を達成するために、体制を分業化、細分化、専門化、特殊化して機能単位に分ける。その方が効率がよく管理がしやすいからだ。

タコツボ化してしまう職場

ところが、目標に変更が発生したり、組織がおかれている環境が変化することで、次第にその組織体制の効率性が損なわれ始める。

しかし、機能単位に分けられた小さな職場や個人は外界との接触が少ないため、この変化に気付きにくい。

変化に気づかなくても、組織がうまく言っていないことは、売上や利益の数字で気づく。「何かをしなければ」と周りが囃し立てても、変化を嫌う人は当たられた仕事を頑なに守り、自分の仕事に範囲を決めて、それ位以上のことには手を出さない。責任という言葉を隠れ蓑にして、危ない橋は渡らないようにする。変化の対応は他人事で、自分の殻に閉じ篭ってしまう。

これがタコツボ化した職場の状況である。

「タコツボ化」は、職場の課題を捉える言葉として使われる。

タコツボの中で仕事をすることは楽だ。その仕事の意味がたとえ失われつつあっても、自分の仕事を正当化し、自分のできることだけをやり続ければいいのだから。

外に飛び出そうよ

しかし、このような狭いところに身を置いて、狭い生き方をしていくことが幸せないことだろうか。

大人になると、身長はそれほど変わらないので、何年経っても人間の体に変化が無いように感じるが、細胞レベルでみると、殆どの細胞は一年で入れ替わるそうだ。自分の体の入れ替わりに合わせて、生き方も変えてみないか。

ツボから飛び出して、外の世界の変化に触れて、狭い価値観、狭い考え方、狭い文化に囚われない、自由な自分に身を置いてみたらどうか。

隣の職場にインターンシップ

自分の仕事に密接な職場、例えば、仕事の流れの中で、上流もうしくか下流にある職場を体験してみる。そこで働いてみる。インターンシップだ。

そこで仕事を覚えながら、自分たちの職場がどんな風に見えるのだろうかを想像してみる。

「自分たちはこんな風に見えているんだ」と感じることから、失われた組織の効率性を変える変革の糸口が見つかるかもしれない