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課の中の全員でその職場のビジョンやシナリオを考えた場合は、その内容を理解しているので、ビジョン実現のための企業活動がとてもやりやすいと思います
しかし、会社レベルのビジョンやシナリオを策定た場合は、ビジョンを策定した人とビジョンを実現する人は異なります
ビジョンを策定した人は、その経緯を知っているため、ビジョンやシナリオをよく理解していますが、その検討に入っていないその他の社員は一方的にその検討結果を知らされるだけなので、「どうしてそのビジョンに決まったのか」などの経緯を知りません
しかし、ビジョン実現は全社員で行わないといけないため、知らないでは済まされないのです
そのため、ビジョンを全社に浸透させるという作業が必要になります
ここではその話をしたいと思います
ありがちな浸透策
一番安直な浸透策は、
- ビジョンとシナリオが描かれた冊子を配布
- 社内Webサイトに掲載
- トップの語るビジョンを全社員にメール配信
- 社内教育を実施
というものです
ビジョン策定メンバーが説明会を開いて、策定の経緯などを分かりやすく説明するということもあるでしょう
しかし、このような浸透策は、どこか一方的でトップダウンの形をとなるため、受け取る社員にやらされ感が生まれます
ビジョンは社員に共感されなければ、その実現に向けて働きかけようとはしません
やらされ感が社員に残るような浸透策ではダメなのです
社員に浸透させるために
ビジョンに共感してもらうための一つの方法に、「社員のやりたいことと、会社が企業活動で成し遂げたいビジョンを関連付け、社員からビジョンの共感を得る」というのがあります
例えば、社員が自分の持っているスキルを使って社会に役に立ちたいと思っており、会社はその事業領域で豊かな価値を提供し、社会に貢献したいというビジョンを持っていれば、この社員は会社のビジョンに共感できるでしょう
共感だけでなく、遣り甲斐も生まれるでしょう
このようになるためには、社員一人ひとりにマネージャーが向き合って、社員がどういう思いをもっているのかを傾聴するのとともに、会社がどういう思いで事業活動を続けようと考えているのかを説明することが必要になります
実際に私の会社でそのような活動を行って、一人の社員のモチベーションを挙げた例を以下の記事で紹介しています
このように、ビジョンの浸透はマネージャーによる働きかけがポイントとなります
これはとても手間のかかることですが、職場の全員がビジョンに共感し、遣り甲斐を持つように舵を切り始めたら、その職場はものすごい力を持つようになります
マネージャーの方々は次の記事で紹介するようなチームを職場の中で是非築いてほしいと思います
次回は、策定したビジョンの実現策の検討についてお話ししたいと思います(つづく)