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「自分の職場でも組織風土改革をやってみたい」と思いになった貴方がスタッフ部門の方でしたら、どのようなアプローチがあるでしょうか

ここではスタッフ部門が全社の組織風土改革に取り組むことを考えてみます

組織風土改革におけるスタッフの役割

スタッフのような立場の方が組織風土改革の必要性を感じているということは、自社の組織風土を経営課題と捉えているということになるでしょう

あるいは経営幹部と話す機会も多いことでしょうから、経営幹部の問題認識を受け取り風土改革の必要性を感じているのかもしれません

いずれにせよ、経営幹部に近く、制度設計、社員教育、予算管理を担いますので、組織風土改革のようなプロジェクト活動を手掛けやすい立場にいます

特に組織風土改革は、社員教育の意識を変えるといったソフト面の取り組みだけでなく、組織制度の改定、企業理念の策定、組織構造の再編、業務プロセスの見直し、執務環境の改善といったハード面の取り組みも並行して行うと効果的です

これらの取り組みを行うにはスタッフの力が必要なので、組織風土改革においてスタッフの役割は重要です

スタッフ部門による組織風土改革のアプローチ

このようなわけですから、スタッフ部門にいる貴方が風土改革をやりたいと思ったら迷う必要はありません

是非取り組んでいただきたいと思います

組織風土改革には専門知識が必要となりますので、実行計画の策定は組織風土改革の専業業者や専門トレーナーの協力を得ると良いでしょう

組織風土改革の対象を全社とするか、試験的に一部の組織から初めて全社に広げていく、と言った二つの方法がありますが、専業業者や専門トレーナーの意見や経営幹部の意向を確認した上で進めるのが良いでしょう

また組織風土改革の対象となる組織に、風土改革の必要性を感じている社員がいましたら、プロジェクトのメンバーに加えておきましょう

活動の中心となって動いてくれたり、職場の特性に合わせて施策をカスタマイズするときにお手伝いしてもらえます

実行計画の承認が得られたらプロジェクトを立ち上げて、風土改革を進めていきます

風土改革は異教徒が行う方がよい

スタッフ自身に組織風土改革の知識がある場合、自らが講師となって社員に対して意識改革の教育を行ったり、職場でコミュニケーション改善の実践方法を指導することが考えられます

しかし、この方法はあまりお勧めしません

異端と異教徒という言葉が宗教にあります

異教徒とは、自分とは異なる宗教を信仰している人々です

異端とは、自分と同じ宗教を進行しているが、異なる考えを持った反逆者です

人は異端に対しては厳しく、異教徒は自分たちの命令系統にないため異端に比べてずっと優しいところがあります

組織風土改革は、これまで自分たちの慣れ親しんだ風土を変える改革運動です

スタッフ自信が自分の会社の風土改革を行うというのは、外の違った考えを持ち込むということです

すなわち、異端の役割を担わないといけないことになります

そういう人たちに対して、社内の人たち、特に自分より立場が上の経営者が違った考え方を吹き込むのは難しいと思います

「社内の人間なんだから自分たちに従えよ。従わなかったら追い出すぞ」

とまではならないでしょうが、難しいでしょう

一方、社内の人たちは、自分たちの命令系統にない存在である異教徒に対して寛容であります

「そういう考え方もあるよね」

と異端であるスタッフより話を聞いてくれるでしょう

なので、風土改革の指導は、異教徒の立場である社外の専門トレーナーに依頼する方が良いと思います

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