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自律的な社員が企業競争力の源泉となるということを前回お話ししましたが、社員がいくら自律的で取り組んでも、働く環境がそれを阻害するようではいけません
自律性を阻害するような環境で働かせるということは、いきなりニューヨークに放り出して、街中に散らかっているゴミを一人でゴミ拾いをさせるようなものだと、私は思うのです
このように思う理由について、おはなししたいと思います
ニューヨークのゴミ事情
ポイ捨て
日本での生活をイメージしてニューヨークに行くと、唖然とするそうです
何がというと、道端に無造作に捨てられているゴミの多さにだそうです
ゴミをゴミ箱に捨てにないというアバウトさがあるのでしょうか、町中にゴミが捨てられているようです
それを見て子供が育つのですから、いつまで経ってもゴミは減らないでしょう
教育って大事ですね
ゴミは誰かが片付けるもの
日本では当たり前のことですが、「ニューヨークの小学校では掃除当番がない」というお話をどこかで聞きました
「ゴミは誰かが片付けてくれるもの」というのが小学校の頃から常識として植え付けられてしまうのですね
このことが街でのポイ捨てに拍車をかけるのかもしれません
綺麗にならない街
そんなニューヨークにもゴミ拾いのボランティア活動があるそうで、先日もテレビで紹介されていました
このボランティアの人たちによる街の美化運動も、翌日になると綺麗に片付けた場所に新たなゴミが捨てられることが日常茶飯事だそうです
それでもめげずにやり続けているのは、皆で集まって街作りをしていることに楽しみを見出していることがあるそうで、こういうプラス思考もニューヨークスタイルなのかもしれません
ニューヨークに自律的な社員を送り込んだら
このようなゴミ事情のあるニューヨークに、自律的な社員をいきなり放り出して、街中に散らかっているゴミを一人でゴミ拾いをさせたらどうなるでしょうか
社員がゴミを拾っているそばで、ストローの刺さった紙コップをぽいっと捨てられ、ゴミを拾い続けることができるでしょうか
「それを片付けるのがあなたの仕事でしょ」と言わんばかりの目で見られ、「これもお願い」とゴミを捨てられても、ゴミを拾い続けることができるでしょうか
強い意志を持って、自分を律することができても、自分のやっていることに無力を感じるようなことが立て続けに起きれば、諦めの気持ちが現れて、強い意志もくじけるでしょう
それほどに環境は、人を変えてしまうほどの力があります
社員が「自律的に働こう」と取り組んでも、働く環境がそれを阻害するようではいけないのです
昭和30年代の東京もゴミの街だった
ニューヨークは上述のようなゴミ事情があるのですが、東京ではどうでしょうか
実は、昭和30年代の東京もニューヨークと同じようなゴミ事情でありました
信じられないですよね
ゴミだらけだった東京が、海外の観光客が驚くほどの綺麗な街並みに変わった事情をご紹介し、自律的な社員を育む環境とはどういうものかを考えていきたいと思います(つづく)