組織風土改革の取り組みとして、会社の理念やビジョンを作り直したり、再認識させる活動があります
中止された理念活動
先日、ある企業で組織風土改革に取り組んでいる方の話を聴きました
その企業では、理念に関連するエビソードを社員に話しをさせることをやっており、組織持ち回りで、職場で選ばれた人が、社内放送で話すのだそうです
例えば「社会貢献」が理念に書かれていたら、その社員が仕事の中で「社会貢献」に関連したエピソードを話します。
その方の話しでは、社長が替わったことをきっかけに、この活動を止めたそうです
次第に、エピソードを作ることに重荷を感じる空気が漂ってきたことが、その理由だそうです
活動に意義を感じられなくなったのでしょうか
組織風土改革に求められる理念活動とは
自分の仕事が会社の方針と合っていることを再認識したり、理念を見返すことで自分の仕事に意義を見出すことは決して悪いことではないと思います
それでも続かなくなったのは何故でしょうか
その答えは、職場にある課題に真っ直ぐ向き合わなかったことではないかと思います
組織風土改革を行うと言うことは、職場の中でなにかしらの課題が解決されないまま残っており、そのことが無視できない状況にあるからです
そのことに向き合わず、放置したまま、理念やビジョンのことを、皆で話し合いましょうと言っても、課題は解決されません
理念は共通の物差し
組織風土改革に理念を持ち込む理由は、問題解決に必要な「共通の物差しをもつ」ということです
職場が抱えている課題は、複雑で解決することが一筋縄ではいかないから、今まで残っているのです
なので、色々な要素が絡み合い、多くの関係者に影響することなので、手がつけにくく、残ったものです
かといって、どこかの外部の人が解決してくれるものではなく、それはその組織にいる人たちが解決するしかありません
数ある選択肢と関係者の中で、複雑な問題の解決行動を起こすためには、皆で納得した選択肢を選ぶしかないのです
その選択のときに、誰もが認める「物差し」を導入し、一つひとつの選択肢をその物差しで測って、誰もが認める選択肢を選ぶのです
この物差しこそ理念であり、これが組織風土改革での理念の正しい使い方です
問題解決から目を背けさせるような理念の使い方をしてはいけないのです