3月前の正月。

 

多分最後だと、父は思ったのかもしれない。

 

入院先から母を外泊させ自宅に呼び寄せた。久しぶりに自宅に戻った母は、安心したのか「病院には戻らない」といつもの我が儘を言い出した。無理をさせて外泊させた父に腹が立った。「一人で処理できないくせに」と。私が実家にいる間に母を病院に帰した。そして父を非難した。

 

父へ辛くあたったことは数え切れない。また一つ、加わった。

 

そんな悔いを、数え切れない親不孝を思い出すと、涙が止まらないと思った。

 

でも、それも自分だと言い聞かせ、縁起の法則を甘んじて受けなければならないと強く思った。それが父への詫びだと感じた。

 

歯を喰いしばって涙を堪えた。