被写界深度

広角レンズと望遠レンズの話をします

そういうと「「視野を広く持て」と言いたいのだな」と連想するかもしれません

実はその通りなのですが、ここではそれに加えて「被写界深度」の話をしたいと思います

「被写界深度」とは、ピントが合っている奥行きの深さです

広角レンズは被写界深度が深く、手前から遠方の方までピントが合います

合焦に奥行きが広いのです

一方、望遠レンズは被写界深度が浅いので、ピントの合っていない手前とは遠方はボケて見えます

広角レンズに比べて奥行きが狭い

マネージャーの抱える葛藤

先日、私が進めている風土改革の活動を総務担当役員に紹介したところ、彼はあるマネージャーの話を引用しました

「部下が教育を受けたいと言っているが、予算未達を抱えているマネージャーとしては、教育の替わりに現場で稼いで欲しいと思っている」

これは私も現場の声としてよく聞くことで、組織目標を優先させてしまうばかりに、成長欲求を満たされない部下のモチベーションが下がってしまうという問題です

「学習する組織」の著者であるピーター.M.センゲは

原因と結果は、時間的にも空間的にも近くにあるわけではない

「学習する組織」

という示唆を残しています

部下のモチベーションが下がってしまう原因は、組織目標を優先させてしまったことではなく、その部下の育成と組織目標の達成は両立することができる

そのきっかけが、「原因と結果は、時間的にも空間的にも近くにある」という考えを手放すことなのです

我々が取る道

私たちは、見慣れた解決策をとりがちになります

広角レンズのように、空間的に広い視野を持ち、奥行きのある時間認識の中で、原因と問題を捉える必要があります

上司や部下、経営者や現場、生産現場や営業部門など、立場や見方の異なる人たちが、自分の目に広角レンズを持つようになれば、解決できない問題はないのです