職場の人の攻撃的な態度が苦手で、しかたがありません

こういう人が職場にいると、近寄りたくないですよね

それでも仕事の接点を持たなければならないときは、胃が痛くなる思いです

この場合の対処の仕方は2つに別れます

1つは自分を直すで、もう一つが相手を直すです

自分を直す

1つめの自分を直すについて話しましょう

自分を直すと言われて「何で私なの?」と思われたことでしょう

この場合は、職場のこの人に対する嫌な気持ちが、心理的反応のひとつである投影性同一視が起こすときです

この投影性同一視とは心理学の防衛機制の一つですが、心理学専門用語で馴染みが無いと思います

それぞれの定義をお示しします

防衛機制・・・

心の安定をはかるための、自我による種々の無意識的な働き

「カウンセリング辞典」誠信書房

投影性同一視・・・

防衛機制のひとつ
精神発達上抑圧が可能になる以前の未熟な防衛機制として分裂がある
投影性同一視は、この分裂を基礎にしてはたらくものである
すなわち、分裂した自己の一部分を外界の対象に投影し、さらにこの投影された自己の部分とそれを受けた外界の対象とが同一視される機制である

「カウンセリング辞典」誠信書房

相手の嫌な部分である「攻撃的な態度」は、実は自分の気になっている部分でもあり、それを見つけると投影性同一視が働いて、相手を鏡にして自分を映しだして、相手と自分を同一視してしまうのです

簡単に言うと、自分でも気になっているから、相手に似たような所を見つけると、気になって仕方なくなるのです

これってよくあることではありませんか?

自分で気になっていなければ、相手の行動を見てもスルーでき、それほど拘らないのです

「ちょっと気になるかな」ぐらいで

しかし投影性同一視が働く場合は、相手の行動を見ると、暫く経ってもそのことが頭から離れず気になって仕方ありません

なので、相手の悪いところが自分にもあると思い当たるようでしたら、相手を直してもらうのではなく、自分を直すように努力します

自分が信頼が置ける人を相手に内省を行います

カウンセラーが友達にいるのでしたら、その人に傾聴してもらいます

今回の場合でしたら、相手の攻撃的な態度が気になるのですから、自分が同じように攻撃的な態度になるのは何故かを内省の中で探っていきます

「どういうときにそうなるのか」、「その原因にトラウマがないのか」、カウンセラーに手伝ってもらい、客観的に自分を捉えて解決の糸口を見つけます

その糸口が見つかれば、相手のことが気にならなくなります

自分の問題ですから

相手を直す

相手の悪いところはどう考えても自分には思い当たらないようでしたら、相手が直るように、一緒に協力してあげます

相手の気になるところを素直に伝えてみます

このときに、相手のことを心から心配しているという態度を示すことが重要です

なので、日頃からの信頼関係が必要です

「あの人の言うことだったら聴いてもいいかな」という信頼を相手も持ってもらうことが必要です

「あなたはこういう風に見えるよ」と相手が少しでも客観的に自分のことを観察できるように手伝ってあげます

自分のことを心配してくれているのだということが伝われば、相手も素直に自分を直すことに目を向けることが出来ます

そうすれば解決の糸口が見つかります