日本の地方自治

石橋湛山は彼の著書「石橋湛山評論集」の中で、日本人の自治心を次のように評しています

我が国においても、地方の生活の改善のため、国庫の補助金制度は効能があった

而してその代償として自治心の発達を阻碍した

今はそれを改める時期である

(略)

地方自治の発達は、このため非常の障碍を受けているのである

その一は地方自治の道徳的堕落だ

その二は地方事業の不統一不経済と資金の浪費である

「石橋湛山評論集」石橋湛山

米国の自治心

また別の著書「湛山回想」で、米国の自治心を次のように評しています

米国人は個人主義者でなく、自主的協力主義者

「湛山回想」石橋湛山

彼によると、米国人は政府にのみ頼らず、自分らで解決しうる問題はためらうことなく自治的に協力して、これを処理する社会奉仕の精神が盛んだそうです

さらにこの精神は独裁主義(中央集権的政治)に対する最も強固な壁になり、首都に反乱があってもその力で米国全土を征服できないと評しています

このあたりは、日本と大分違いますね

開拓者精神が文化として深く根付いているのでしょう

消防士のドラマと映画

さらに、湛山回想には以下のような記述があります

自主独立の精神を養い、各市民を公権消防士(政治的侵害の煙をすぐにかぎつけその戦いに突進するやから)に育て上げる

「湛山回想」石橋湛山

そういえば、Amazon PrimeやHuluの米国ドラマや映画には消防士ものが多いと思いませんか

その理由が分かった気がします

彼らにとって、消防士というのは、彼らが共有している価値観「自主的協力主義者」を体現する職業なのでしょう

なので消防士もののドラマや映画は人気が取りやすく、その数が多いのだろうと思います