トラブルにハマってしまうというのは夢中になっている状態であり、好きなことに夢中になっている状態と類似性があるのではないでしょうか

もしトラブルが解決すれば、トラブルにハマっていたことですら楽しいコトにもなりますし

今回は「パソコンのトラブルにハマって見事解決できた」という楽しいコトについてお話ししたいと思います

子供のオンライン授業が始まる

コロナ禍の中で子供は新学期を迎えました

ご多分に漏れずオンライン授業を始めています

この短期間の間にオンライン授業の設備を良く準備できたなあと感心します

学校側も相当苦労したのではないでしょうか

異なる学校に通っている二人の子供は、ZoomとCiscoのWebexを使ってオンライン授業をするようです

二人ともノートPCを使っており、機種は HP Spectre x360(2018)、HP envy x360(2020) です

ネットに繋げるネットワーク環境はあるのでノートPCさえあれば受講できるのですが、以下の問題点があります

  • 画面が小さい
  • ネットワークが細い

画面の問題点について補足すると、オンライン授業では、ビデオ通話の画面を表示させながら、配付資料を開いたりします

するとノートPCの小さな画面で両方を表示するのは辛い

Webexで先生が共有する資料はある程度の大きさにしないと見ることができません

やはり外部モニタが必要です

もうひとつのネットワークの問題点についてですが、我が家はWifiでネット接続していますが、外出自粛している家族全員がWifiに接続すると無線接続が安定しません

なのでWifiを使わずに有線LAN接続をする必要があります

以上のような問題を抱えているので、オンライン授業のためのIT環境を整備する必要がありました

オンライン授業のIT環境

画面の問題は子供が持っているAcerのゲーミングモニターKG241Qを流用することにしました

このモニターを外部モニタとして接続するのです

ところがこれには一つ問題があります

二人が使っているノートPCはどれもHDMI端子を持っていません

モニター接続用のアダプターを使って接続する必要があります

もう一つのネットワークの問題ですが、これも上記と同様に有線LAN接続用のRJ45端子がありません

これもアダプターを使う必要があります

HP Spectre x360(2018)、HP envy x360(2020)は、インターフェースが乏しく拡張性がありません

これはこの機種を選定の時から分かっていたことなので仕方ありません

この点、Let’s noteやDynabookのようなビジネス用途のPCの方が優れていますね

たくさんの端子が用意されていますから

しかし、値段の安さからどうしてもHPを選ばざるを得なかったのです

そこでUSBハブを使ってモニターと有線LANを接続することにしました(下図)

オンライン授業のIT環境

ところでUSBハブですが、世の中にはたくさんの製品があります

なので購入にあたっては、Amazonのレビューを見て2つのノートPCでの実績がある製品を選ぶことにしました

選ばれた製品は「Anker PowerExpand+ 7-in-1 USB-C PD イーサネット ハブ」です

画像が出力できない

USBハブが届いたので早速試してみました

Anker PowerExpand+ 7-in-1 USB-C PD イーサネット ハブ

Amazonのレビューにも実績があると書かれていたことですし、楽勝だと思っていました

私の経験でも会社でHDMI接続に困ったことなどありません

ところが実際にUSBハブにHDMI接続をしてみると、モニターにデスクトップが表示されなかったのです

モニター側は「信号なし」の表示がされた後、しばらくしたら待機モードになってしまいました

モニター側のスイッチ類を色々いじったのですが、変化はありません

問題解決の道筋

これには焦りました

子供にも「最高の環境を作ってやるからな」と恩着せがましく言っていた手前もあります

さらに、この製品は5,000円近くするものだったので無駄にはできません

とにかく、原因究明をしてなんとか繋げるしかありません

そこで、以下の手順で原因究明をすることとしました

  1. USBハブの他の端子は使えるか
  2. 他のパソコンで使えるか

このUSBハブにはHDMI端子以外に、USB3.0、RJ45、SDカード、PD対応のUSB Type-Cがあります

USBメモリやSDカードメモリを使ったりして試してみましたが、どの端子も正常動作します

そうなると、「HDMI端子からモニターまでの問題なのか?」ということになります

そこで私が使っているiMac (Retina 5K, 27-inch, 2017)で使えるか試してみました

このiMacにはUSB type-Cの端子があります

そこにモニターを接続したUSBハブを接続してみました

すると見事にモニターにデスクトップが表示されました

となると、USBハブは正常に動作しています

それだけでなく「HDMI端子からモニターまで」は問題ないことになります

疑うべきはノートPCとなりました

しかし、HP Spectre x360(2018)、HP envy x360(2020)の2台とも表示出来ないというのはどういうことなのでしょうか

どちらか片方だけが表示されないというならば、そのノートPC固有の問題と考えられます

ところが両方ともとなると、HPの標準的なハードウェア設計の問題か、それともWindows 10の問題となります

もう一度ノートPCに接続してみたら、先ほどは気づかなかった現象が分かりました

それはHDMIケーブルの抜き差しをするとノートPCの画面が一瞬消えるのです

これはノートPCがハードウェア的にモニター接続を認識しているということです

すなわちノートPCとモニターの間の電気的信号のやり取りがされていると言うことです

認識はしているけれど、正しく信号処理のやりとりができていないということになります

そこでノートPCがモニターをどのように認識しているかを調べてみることにしました

まずノートPC側で画面出力を強制的に拡張ディスプレイモードにして、拡張されたディスプレイがどういう認識になっているかを見てみます

HPのPCはディスプレイモードの変更はFnキーの4番に割り当てられているので、これを何回か押して拡張ディスプレイモードに変更し、どのようにWindows 10がモニターを認識しているか調べてみました

手順は以下の通りです

  1. Windowsの設定メニューを表示
  2. システムを選択
  3. ディスプレイを選択
  4. 表示された画面の下の方にある「ディスプレイの詳細設定」をクリック
  5. プルダウンメニューから「ディスプレイ2」を選択する
  6. 「ディスプレイ2のアダプターのプロパティを表示します」をクリック

上の手順5では、Acerの「KG241Q」と表示されており、きちんとハードウェア的に認識されていることが分かりました

モニターにデスクトップが表示された!

6.の手順で「モニター」タブを見てみると、「画面のリフレッシュレート」がこのモニターの最高リフレッシュレートである「144ヘルツ」となっています

そこで、試しにこのリフレッシュレートを120ヘルツに変更してみました

するとどうでしょう

モニターにデスクトップが表示されたのです!

リフレッシュレートを色々試してみましたが、120ヘルツ以下にすると表示されるようになりました

もう一台のノートPCでも同じようにリフレッシュレートを変更してみると、デスクトップが表示されました

「HPの標準的なハードウェア設計の問題か、それともWindows 10の問題」と見当をつけていたことは、結局Windows 10 とモニターの相性の問題であることが分かりました

これまでの現象の辻褄があることも分かります

これでUSBハブが無駄にならずに済んで、子供たちのオンライン授業が快適にできることが分かりました

どうもこのゲーミングモニターというのは癖がありそうです

今回はリフレッシュレートを落とすことで解決しました

ノートPCでゲームをするわけではないので、これでいいのかなと思っています

同じ悩みがある人はお試し下さい