以前に「組織は老化する」というお話をしました
組織の発達過程に関する研究について書かれた本を読みましたので、その内容を引用します
集団発達のモデル
山口裕幸さんは、集団が形成されてから成熟し崩壊するまでの過程について、下図のようなモデルを提示しています
このモデル図に当てはめると、組織の老化は老年期に相当します
老化した組織を4つの段階で再生させる方法として私が提唱している組織風土再生モデルは、壮年期から老年期に入り始めた頃に実施することとなります
発達段階に合わせた施策の選択
山口さんの集団発達のモデルが示すとおり、組織には様々な発達段階があり、それぞれに持つ課題が異なります
幼年期にある集団は、やる気十分で自走力があり、変化への対応力があるため、チャレンジ精神が旺盛です
一方で、仕事の進め方が確立されておらず、手探りな状態にあります
メンバーの役割も曖昧なところがあり、各々の役割を十分に把握していません
これにより、エネルギーがあっても成果に直結するような動き方にないのが幼年期の組織風土の課題です
これに対して老年期にある集団は、役割とプロセスは確立されているのだけど、組織が縦割りとなり過ぎて、慣例や前例に固執し、変化への対応ができません
この異なる段階にある2つの集団に求められる組織風土の施策は、当然のように同じではありません
スタートアップ企業のような幼年期にある企業の施策を、老年期にある企業が取り入れるケースがあります
若返りを果たしたいという気持ちがそうさせるのでしょうが、スタートアップ企業の持つ文脈を無視して、自分たちの文脈に無理矢理合わせても上手く行かないでしょう
組織の発達段階に合わせた施策の選択が必要なのです