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前回、トップもしくは組織の上位職の思いを聞くことについてお話ししました
その話を受けて、今度は自分たちの思いを話す番です
ここでは話し方についてお話しします
過去を振り返ろう
過去を振り返ることは、自分の思いを見つけることにつながります
これまでの仕事の経験の中で、「苦労した」「辛かった」「大変だった」ことは誰でもあると思います
そのような思い出であっても、振り返る中で「自分を成長させてくれた」とか、「遣り甲斐を感じた」と気づかされることがあります
その出来事から、自分にとって良かったと思える理由、遣り甲斐を感じたと思う理由を探ります
探り出したものを眺めてみると、その中に一つの特徴が見当たると思います
それは価値観、夢、使命のようなものです
このように過去を振り返ることで、自分の思い、夢、目標や使命を見つける方法に繋がるのです
また、自分の渇望を知るために「マイ・ヒーローを挙げる」という方法があります(こちら)
これを行うと、自分が何を望んで生きているのかが分かります
自分らしく生きるためのヒントにも繋がるかもしれません
そのこととこれまでの仕事人生の中の出来事を結びつけて、自分が仕事に何を求めているのか、自分らしく働くと言うことはどういうことかを知ることができます
夢を語ろう
これを発展させて、夢を語ってみることもできます
話す内容は、自分たちが前向きになれるように、将来の夢について話してみたらいかがでしょうか
例えば、
- 10年後にどんな会社(職場)にしたいか?
- 10年後の理想な姿とはどういうものだろうか?
といった内容です
普段は考えないテーマなので、「10年後のことなんて、想像もつかない」というようでしたら、10年前のことを思い返して下さい
「今の会社(職場)の状態は、10年前からどのように変わったのだろうか」と思い返すのです
- この変化の波は益々大きくなるだろう
- 思ったほど我が社は変われなかったな。どうしてだろう?
といった気づきがあると思います
過去を振り返ることが、今後の10年を考えるヒントになるかもしれません
「10年後」にこだわらず、もっと一般的な表現でもよいと思います
例えば、
- 「あの会社で働いてみたい」と思われるような会社にしたい
- 業界で一目置かれている会社にしたい
- 社員がイキイキと働いているような会社にしたい
といった例になります
効果的な対話とするために
希望の未来に向けて夢を語る方法をお話ししましたが、夢を語るためには、リラックスして話すことが大切です
そのためにも話し合いの場には心理的安心感を漂わせなければなりません
「こんなことを言ったら変に思われるかもしれない」と誰かが感じるようではいけません
このような話し合いの場には、心理学やコミュニケーション理論の知識をもつファシリテータに任せると上手く行きます
産業カウンセラーが職場の身近にいたらお願いしてみましょう
上述の専門知識をもっているだけでなく、会社の状況も共有しているので、参加者の話の内容をうまく引き出し、全員で理解できるように対話を促進してくれるでしょう
お願いできるようなファシリテータがいない場合は、こちらのシリーズで紹介している哲学カフェを使ってみましょう
哲学カフェは参加者にオープンな議論を促すので、参加した職場の一人ひとりの考え方に触れやすく、新たな気づきや、自分のものの見方や考え方を変えるきっかけにもなります(つづく)