在宅勤務が恒久的な働き方となるのであるなら、働く人々にとって人生を楽しめるような在宅勤務を考えることは有意義だと思います
ここでは、働くこと通じて人生を楽しむためには「どんな在宅勤務が必要なのか」について、働く皆さんが職場で考える方法についてお話ししたいと思います
これまでの記事はこちらをご覧下さい
働楽な在宅勤務のために6:不安と期待を空想してみよう
前回は、How to 論よりWhy論の方が大切であり、誰もが共感できる「不安」と「期待」を職場で洗い出すことが必要であると説明しました
ここでは、野球の具体例を挙げて説明し、空想ステップの重要性を示します
「投げる、打つ、捕る」のHow to論
ここからは、あなたに空想をしてもらいます
その内容は「野球を知らない国に行って、野球を教える」ことです
野球で行われることは
ボールを投げて、バットで打って、グローブで捕る
ですね
その国にいる3人の男性を捕まえて、この動作を一人一役として教えます
Aさんには投げる、Bさんには打つ、Cさんには捕る、といったようにです
そして、半年ぐらい、自分の役割の投げる、打つ、捕るを究めてもらいます
半年ぐらいに、3人に「それぞれの役割で『良かったことと悪かったこと』を挙げて話し合ってください」とどうなるでしょうか
- ボールは縫い目を入れた方が曲がりやすい
- バットは芯にコルクを入れた方が飛距離が伸びる
- グローブはポケットが深い方ががっちり捕れてボールが暴れない
といったHow to 論がでてくるでしょう
ここで挙げられた改善点は取り込まれ、各々が「投げる、打つ、捕る」という役割を究めていくと思います
「投げる、打つ、捕る」のWhy論
次はWhy論の登場です
こんどは「この行為について、将来におきるだろう『不安』を想像して話し合ってください」と問いかけます
すると
- 捕るばっかりでつまらない
という意見がでます
そうしたら、「捕るのと打つのを交替するルールを作りましょう」という話になります
次のような意見もでるかもしれません
- いつも同じメンバーでつまらない
それでしたら、「他の人も交えて遊べるように、試合というルールを作りましょう」「試合ができるようにグランドを作りましょう」となります
次に「この行為について、将来おきるだろう『期待』を想像して話し合ってください」と問いかけます
すると
- グランドには野球をするだけでなく、観客を呼べるように観覧席を設けよう
- 集まった観覧席で、ビールやお菓子を打って商売をしよう
といった期待が生まれます
これがどんどんエスカレートして今のメジャーリーガーを頂点としたプロ野球という一大産業が生まれてきます
将来を見据えて「不安」と「期待」に関する議論を起こすと、「なぜ、投げて、打って、捕るのか」という答えが見つかり、「私たちは、投げて、打って、捕ることに一生懸命やらなければならない」ということにつながります
新しいやり方を試みるときには、How to 論で議論するより、Why論の方が新しいやり方をやるモチベーションが上がる理由がお分かりになると思います
ソリューションベンダーに必要なスキル
「なぜ変わらなければならないのか」
このことに答えを示して、新しいやり方をソリューションとして顧客に提供するビジネスを行っているのがソリューションベンダーです
How to だけでなく、Whyで考え抜く力も持つことは、社内の変革活動だけではなく、本業のビジネス活動でも役に立つことがわかると思います