前回は、我々の見えざる力で動かされているポジション取りゲームが近代に起きていることと、それを守ろうとする人たちについてお話ししました
ここでは、ポジション取りゲームに負けてしまった人はどうすればいいのかについてお話しします
ポジション取りゲームが欠くもの
哲学者の内山節さんは、ポジション取りゲームが欠くものは「作る」ことであると教えています
確立されたシステムの中の、限られたポジションを巡る争いですから、「作る」ということがないということだと思います
それであるなら、「ポジション取りゲームに負けた人たちは、作ればいい」というのが内山さんのアドバイスです
作るものは何でもよくて、仕事、生活、コミュニティ、何でもいいのです
かつての日本は、作ることをやっていました
農民、商人、職人たちもそれぞれの世界を持って、「作っていた」のです
それが近代になって、ポジション取りゲームの世界に組み込まれてしまったのです
企業では中高齢者の社員が増えて経営課題となっています
ポジションを取ることが人生の人たちであったサラリーマンが、ポジション取りゲームの中から排除され、孤立した人間になるという問題です
社内のポジション取りゲームに残れず、その社会から外されることに気づいたら、作る世界に移る必要があるのだと理解して、会社で働いているうちから作ることを始めるのが良いのかもしれません
新しい仕事、新しい生活、新しいコミュニティを作る・・・これはこれまでの社会から引退する準備なのでしょう