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組織風土改革には、ジェネレーションギャップから生まれるコミュニケーション、人間関係、仕事への向き合い方などの課題の克服を求められることがあります

そのためには、各々の世代に属する人々に共通してみられる心理状態、すなわち社会心理を正確に捉えることが必要となるでしょう

Z世代と呼ばれている世代が職場に入ってきており、何かと話題になっています

最近話題のZ世代の心理状態をうまく捉えているなあと思うネット記事「電話は暴力的、Zoomはダサい? Z世代を知るキーワード「JOMO」(出典:日経ビジネスオンライン)」がありました

Z世代の社会心理を知りたい方はお読み頂くと参考になると思います

ここでは、Z世代を巻き込む働き方改革について考察してみます

情報はモリモリで惜しみなく出す

私はX世代なので、ネットの黎明期を知っている世代です

Windows3.1がTCP/IPプロトコルスタックを持っておらず、Chameleon NFS/Xというソフトをインストールしないとインターネット接続ができない時代に、Mozaicというブラウザを使って、欧州のWebサイトにアクセスし、ハイパーテキストでどんどん情報が引き出せる可能性にワクワクしました

それから徐々にWebサイトが立ち上がり、たくさんの情報がインターネットの世界で交換されるようになります

「情報の獲得に遅れてはいけない」と自分の興味のあるサイトのチェックは欠かさない習慣が身につくようになりました

しかし指数関数的に増えるネットの情報爆発に追いつくことは到底できず、次第に検索エンジンに依存するようなネットとの付き合い方になりました

それでも「私の知らない情報があるかもしれない」という不安が常に頭の片隅にあるので、受信したメールは全て既読マークをつけないという強迫観念があります

しかし、子供の頃からSNSに慣れ親しんでいるZ世代は、大量の情報なんか全部見ておくわけにはいかないんだからと前向きに考えています

私の子供はZ世代なのですが、スマホのメールのアイコンに数百件の未読を示すバッチが赤々とついていても、全く気にしません

なのでZ世代の「大量の情報を全部見ておく必要なんかないじゃん」という考え方は、「未読を示すバッチ」に負い目を感じる私に勇気を与えるものがあります

「そっかそういう考え方の方が自然だよね」と教えられるのです

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ところで、皆さんの職場ではイントラネットを使った情報共有の程度はいかがなものでしょうか

私のようなX世代は、社内システムのヘルプやFAQが貧弱であったり、業務マニュアルがイントラネットで共有できていなくても「まぁ、こんなもんか」と妥協してしまうのですが、ネットの情報洪水に慣れ親しんでいるZ世代には物足りなく感じることでしょう

慣れ親しむネット世界の情報量と、職場のイントラネットの情報共有の程度を比べて、悲観的になるかもしれません

ゆくゆくはZ世代が大勢を占めるようになる職場ですから、社内Webサイトを立ち上げるだけでなく、社内SNSなども構築し、情報は惜しみなくモリモリで備えておく方が彼らの働きやすい環境を作ることになると思います

今この時間を楽しませるワクワク

Z世代は常にネットを介して人と繋がっているという感覚があるので、繋がっていることの気持ち悪さを感じていないそうです

むしろ「繋がり方」に注意を払うようです

その「繋がり方」とは、相手の一番いい状況の時に繋がろうという繋がり方です

なので彼らは相手の都合を考えずに呼び出される電話を好みません

単に繋がっているだけでなく、相手の状況が分かるような繋がり方で、繋がりたいと思っている相手が「繋がっても良さそうだ」と判断したら繋がりに行く方法を好みます

モリモリの情報の中から「これは面白うそうだ!」を見つけ、それを一緒に面白がってくれそうな仲間がタイミングよく繋がって一緒にワクワクするようなコミュニケーションをとるといった楽しみ方なのでしょうか

「今この時間を楽しんでワクワクする」はコンサート会場で味わうライブ感ですよね

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このように人との繋がり方が特徴的なのです

なので、参加者の都合を考えずにいつも決まった時間に同じ場所に集まってコミュニケーションをとるような会議よりも、各々がSNSのような誰でも見れる場所に情報を発信して、自分の関心のある情報を漁らせておいて、繋がりたいと思ったときは、お互いの都合の良いときに合わせて繋がることができるような職場環境を好みにしているのかなと想像できます

ノリノリにさせて主体性を発揮させる

上述のネット記事では、コミュニケーションの形を指揮者を中心としたオーケストラ型からお互いがフラットの関係にあるジャズ型への転換を進めています

会社の組織運営をフラットにするのは非現実的だとは思いますが、この記事が教えるようにコミュニケーションのやり方はもう少しフラットでもいいように思います

部下がワクワクして「面白い!」と思ったことがあったら、マネージャーは部下がノリノリになるように働く環境を整えてあげてみたらどうでしょうか

マネージャーは組織運営の責任を持っているのでオーケストラの指揮棒を下ろす必要はありません

その指揮棒が組織の進むべき方向を示さなければならないのですから

しかし、部下がワクワクして面白いと思ったことが指揮棒の指し示す方向と同じでしたら、勇気を持って部下をノリノリにさせた方が得策です

その方がZ世代の部下は面白がって主体的に仕事に取り組むようになります

その上でチームワークが発揮できるようにマネージャが環境を整えてあげます

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Z世代の持つ社会心理を理解して、彼らがモリモリと感じて、ワクワクノリノリとなるような組織風土を作って、楽しく働けるような職場を作ってみたらいかがでしょうか