聞き手:日本にいても豊かな経験はできますよね。なぜ、その実感ができないのでしょうか。

深澤氏:端的に言えば「幸せの測り方を知らない」ということです。日本社会では、働き方から娯楽まで仕組みの中に組み込まれていて、そうした枠組みを非常に欲しがる。サラリーマンとして生きる大体の骨格、たがの直径は初めから決まっています。この枠組みに入ればリスクは少なく、ある程度のことは保証される。この仕組みの中にいる限り、自分一人で世界の常識を新しく変える仕掛けを考えようなんて、思わないのではないでしょうか。

[議論]デザイナー深澤直人氏「働く幸せ、自分で決めよう」:日経ビジネス電子版

深澤さんは、ものをまるっと切り取るのが上手な人だと思います

日本人の生き方をよく捉えています

日本人の幸せは、どこかの誰かが考えた枠組みとして与えられることに慣れてしまって、自分が幸せを定義するということが苦手であることを「測り方を知らない」と表現しています

良い学校を出て、良い会社に就職をして、・・・というのも枠組みです

その枠組みに入れば、幸せな人生が送れると漠然と思いながら、その枠組みに入る選択をしてしまう

そして、安心してしまう

でも、歳を取るにつれ、その枠組みに疑念を抱いたときに、右往左往してしまう

「自分は幸せなのだろうか?」

深澤さんは以下の様に述べています

今は、自分が成功した後に何をしたいのかビジョンを描けている人が少ないように思います。成功することは、自分の豊かさを手に入れることとも言えますが、本当はその先に目的が必要です。

これは企業のトップだけの話ではありません。普段、仕事で頑張っているときに「ああ、やったぜ」と幸せを感じても、現金を持ったときに息せき切って何か次の忙しさを探すのではいけないのです。

[議論]デザイナー深澤直人氏「働く幸せ、自分で決めよう」:日経ビジネス電子版

自分の人生にビジョンを描く、「こうなったら幸せだな」と感じられる様な姿をイメージしておくということが「自分の幸せ」の定義なのでしょう

そして、日頃のめぐり合わせに喜びや幸福を見出し、自分の人生に価値を認めることができるようになれば、生き甲斐を感じる事ができるのではないでしょう

このサイトのテーマは職場で活き活きと意欲的に働くことができ、遣り甲斐や自己の存在意義を感じられるような職場作りです

ここで感じる遣り甲斐も生き甲斐に通じるものだと思います