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私がかかわった風土改革の活動をこちらで紹介しています
そこでは課長交流として「課長対話学習会(対話型ワークショップ)」について簡単に紹介しましたが、この「課長対話学習会に来ませんか」シリーズではその詳細をご紹介します
取り組みの位置づけ
組織風土改革の仕事の中で多くの職場を見てきましたが、職場の雰囲気は課長によって大きく変わります
この「課長のマネジメントが職場の雰囲気づくりに影響を与えている」ことから、課長のマネジメント力強化が組織風土改革には必要であることがわかりました
また、企業ではコンプライアンス経営が益々求められており、より一層のマネジメント力向上が求められます
ところが、私の会社では課長に昇進する前にマネジメント教育を学ぶのですが、その後のフォローアップを目的とした研修が実施されておらず、本人や職場任せになっていました
私の組織風土改革の活動を社外で紹介する中で知り合った社外の人たちに聞いてみると、他社でも状況は似たり寄ったりです
これは日本企業の特徴なのかと思ってしまうほどです
また中原淳さんの著書「駆け出しマネージャの成長論」によると、「助言をもらうマネージャは孤独なマネージャと比較して職場業績において統計的に有意な差がある」ことが分かっているそうです
よって、業績向上のためにも課長は学びを継続的に行うことが必要なのです
会社にはスタッフ、営業、技術、開発、製造といった職場あり、求められる組織運営方法が一律ではありませんが、現場で起きがちで、同じ会社のマネージャーだから共感できるようなマネジメント上の共通課題もあります
例えば、評価制度に基づいたフィードバックの方法、管理業務で工夫していること、組織改正にかかわる悩み、リソース調整などといったものです
そこで、「マネジメントスタイルは自社固有で現場に密着したものが存在する」という考えに基づいて、教科書的なマネジメント方法を教える講師を使った研修ではなく、受講者同士が体験を語り、助言をもらいつつ、そこから現実問題に関するマネジメント方法を学ぶスタイルの研修を企画することを考えました
受講者である課長同士が対話によって、自身のマネジメントを学ぶ場となることから、「課長対話学習会」と名付けました
目的
課長対話学習会は以上のような位置づけのため、この研修の目的は以下の通りとしました
- 参加する課長同士がお互いの体験、助言、意見を交わすことで、お互いのマネジメント・スキル向上をはかる(相互メンタリング)
- 課長の喜びと悩みを共に感じあう仲間を作る(共感の連鎖)
仕事上のつながりで、課長同士が接することがありますが、各々が組織の持つ利害を守るために葛藤が生じます
そんな課長同士であっても、マネジメントの領域では同じ悩みをもつ仲間意識を作ってほしくて、2番目にあるような目的を付け加えました
期待効果
課長対話学習会は以下のような効果を狙っています
- 実務の中で現れる現実問題を直視したテーマを通じて、自分の職場、マネジメントの在り方をじっくり振り返り、課長が自分で考え、自分の言葉で意見をお互い述べることで、自身のマネジメントの立ち位置を見出し、マネジメントの意欲につながる
- 普段交流の少ない課長同士の仲間意識や一体感が得られる
- 自分の思いと他者の思い、自分の経験値と他者の経験値など、まだ感覚でしかわからないような暗黙知を共有することで、マニュアルでは落とし込めない知識を共有できる
- 課長が元気になることで職場も明るくなる
次回はこの課長対話学習会の進め方についてお話しします(つづく)