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前回は、課長対話学習会の生い立ちと、実施の目的と期待される効果についてお話ししました
ここでは実際の課長対話学習会の進め方についてお話しし、その内容をご紹介したいと思います
事前準備
課長対話学習会では、あらかじめテーマを決めておきます
テーマの内容は職場で起きがちで同じ会社の課長同士だからこそ共感できるようなテーマを選びます
例を挙げると次のようなものです
- 評価のフィードバック方法
- 管理業務で工夫していること
- 横連携など組織体制にかかわる悩み
- リソース調整
- 労務管理・・・・など
課長は対話学習会に参加する前に、そのテーマに関する自分の意見やほかの課長に聞いてみたいことを考えてもらいます
当日の進め方
課長対話学習会の当日は、次のような流れになります
- リフレクション
- ディスクロージャ
- メンタリング
- ラップアップ
それぞれについて説明します
参加者は車座になって座り、ファシリテータもその輪の中に加わります
リフレクション
前回の研修からの振り返り、もしくは最近感じているマネジメントの悩みについて、一人ずつ話をしてもらいます
ファシリテータが傾聴技法を使って話を聴き、話し手の内省を促します
ここではまだテーマについて話はしません
どちらかというと、話しやすい雰囲気、じっくり聞きやすい雰囲気を作って、これから始まる本番に備える時間です
なのであまり時間はとらず、「一人当たりの持ち時間は1分程度」と事前にアナウンスしておきます
ディスクロージャ
今回のテーマについて、自身の経験、自分の考えに基づく意見などを傾聴技法を使って、一人ずつ話してもらいます
車座に座っていると、話し手は誰に向かって話してよいかわからなくなり、話しづらくなるかもしれません
そのようなときは、ファシリテータが聞き役になってもよいですし、隣の人に聴き手になってもらってもいいでしょう
全員が話し終わった後に、各自のさらなる内省を助けるために、他の参加者が感じたこと、助言、意見などを投げかけ、必要に応じて、その受け答えを行います
ポイントは、話し手が感じていることと、他の聴き手が感じていることは必ずしも一致していないことに気づかせ、この「ずれ」を感じることです
このずれが「自分の職場をどうしたいのか」という内省につながることを体感させます
メンタリング
ここでは「今の自分にとって、どのような意味を持つのか」、「職場で何をすべきか」を自分に引き寄せて考え、その内容を話し合います
まず、参加者がディスクロージャで「感じたこと」と「やってみたいこと」をホワイトボードに一人ずつ書いてもらながら、その内容を説明してもらいます
そのことについて、他の参加者を交えて話し合います
ここでは、自分がしてみたいことを見出すことで、明日へのマネジメントの意欲を持たせる効果を狙います
ラップアップ
最後に一言ずつ振り返りを話してもらいます
全体を通じて、ファシリテータは、課長同士のメンタリングと共感を促進するように対話を進行していきます
次回は、課長対話学習会に参加したアンケートを紹介し、この活動が狙っていた効果があったかお話しします(つづく)