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笑いのある職場っていいですよね

職場の雰囲気が、ぱっと明るくなると思います

仕事って責任が伴いますし、正確であることが求められますから、どうしても堅苦しくなってしまいがちです

そんな職場を、気の利いたユーモアで笑いを誘う方法についてお話ししたいと思います

ここでは「ユーモア」という言葉を「気の利いたしゃれ言葉」という意味で使います

ユーモアの効用を示す調査結果

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職場の中に笑いがあった方が、仕事仲間との親近感信頼感が増すだけでなく、社員のモチベーションエンゲージメントが高まり、会社の業績向上にもつながるそうです

その効果も数値で表されています(こちら

一緒に笑うことができる仲間は親密だと思いますし、セミナーのグループ討議で初対面の人であっても一緒に笑い合うようなアイスブレークをやった後では自己開示が進むような気がします

なので、この数値が示すことは私たちの実感とそれほどかけ離れてはいないと思います

行き詰まった会議

リアル、オンラインのどちらであっても会議で議論が行き詰まったという経験は、誰でもお持ちだと思います

そんなときは、会議に参加している誰もが口数を少なくし、出口のない議論に沈鬱となりがちです

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こんな会議に、気の利いたユーモアを挟んで場をなごますことができれば、会議に参加しているメンバーの緊張が和らぎ、会議に笑顔を取り戻すことができます

ユーモアを作るコツ

「でも、ユーモアなんて、私には思いつかないし、無理だわ」と感じる方もいらっしゃるでしょう

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確かにユーモアを使いこなせる人は限られそうで、周りにそれほどいないというのは、コツの要る証しなのかもしれません

そこで、ユーモアが思いつかないという人でも、気の利いたユーモアが言えるようになるコツを教えます

異なる文脈で使われるキーワードを使う

そのコツは「異なる文脈で使われるキーワードを使う」というものです

駄洒落というのがありますよね

非常に似通った音を持つ言葉をいう言葉遊びです

ここで紹介するコツは少しこれに似ています

例を挙げてみましょう

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先日会議である職場の組織風土について話し合う会議がありました

その職場は異動が少なく、長い間、同じメンバーで仕事をこなしてきました

つうかあの間柄ではあるのですが、馴れ合いといった雰囲気があり、新しい取り組みにはいつも消極的で、活気がありません

会議に参加していたメンバーが「あの職場はどこか空気が澱んでいるよね」と発言しました

すると別のメンバーが「換気が必要なんじゃないの?」とユーモアを飛ばしまして、一同の笑いを誘いました

皆さんご存知の通り、新型コロナ感染対策で私たちが良く耳にする「換気」というキーワードを、「空気が澱んでいる職場の解消方法」にかけているのです

この例が教えるユーモアを作るコツが「異なる文脈で使われるキーワードを使う」です

組織風土の文脈で会議を行っている場面で、それとは異なる文脈(新型コロナ感染対策)で使われる「換気」というキーワードを使っていることがお分かりいただけると思います

キーワードを選ぶポイント

この「異なる文脈で使われるキーワード」の選び方にはポイントがあります

それは、日頃良く私たちが耳にするキーワードを使うことです

そうしないと、折角ユーモアを言っても、それを聞いた人が「何のことやら?」となってスルーされてしまうか、会話に混乱を招いてしまうからです

なので、その時々で話題となっている情報を常に仕入れておくような日頃の努力が必要となります

新聞やネットニュースからネタを仕入れておくのがよいでしょう

世情に通じたキーワードであれば、しゃれの効いたユーモアになります

やってはいけないジョーク

ユーモアに似た言葉にジョークというのがあります

ジョークは「笑いをとるためには手段を選ばない」というところがあります

私がやってはいけないと思うジョークは、誰かをネタにして笑いをとるようなジョークです

ジョークを言った人は、冗談のつもりで言ったかもしれませんが、その人にとっては傷つけられたと感じたり、攻撃されたと思うかもしれません

よって、誰かを利用して笑いを取るようなジョークはお勧めしません

一方、ユーモアは「笑いをとるためには手段を選ばない」というより、人が思いつかないような「ズレ」を持ち出して、そのズレの可笑しさから笑いが生まれるというものです

人を傷つけるようなことはまずありません

ユーモアの効果は学びにもある

ユーモアの効果は前述でご紹介したネット記事に書かれていますが、ここでは「学び」という視点での効果についてお話しします

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「換気が必要なんじゃないの?」というユーモアで一同の笑いを誘った後、議論に行き詰まっていたメンバーの中から、「そうだよね、換気が必要だよね。」という発言があり、さらに別のメンバーからは「どんな換気ができるのだろうか?」と言った新たな議論の投げかけがありました

このように、「異なる文脈で使われるキーワード」というユーモアは、行き詰まった議論に新たな視点を与え、学びの機会に繋がります

これは異なる分野の技術を掛け合わせてイノベーションを起こす方法に似ています

また、会議が終わった後に同じメンバー同士で「あの換気の件なんだけどさあ」と言った感じで、「換気」というキーワードが会議のあった場面を想起させやすくします

これは笑いによって与えられた強い印象が、メンバーの記憶に刻まれるからでしょう

プレゼンテーションの技としても使えそうですね

さらに付け加えると、「換気」というキーワードは、本来、感染対策の文脈で使われていたものなのですが,組織風土という文脈でも意味を持つようになっていきます

会話を豊かに

気の利いたユーモアは仕事仲間との親近感信頼感が増すだけでなく、新たな視点を与えて学ぶ意欲を高め、社員のモチベーションを高めます

眉間に皺を寄せるような会議には、潤いを与えるようなユーモアを交えていただき、豊かな会話となるようにしてみたらいかがでしょうか