今日の楽しいヒトは、米IBMの技術最高職「IBMフェロー」である日本アイビーエムの浅川智恵子さんです
視覚障害者の街歩き支援ロボ
日本IBMなど5社は6日、視覚障害者の移動やコミュケーションをサポートするスーツケース型誘導ロボットの開発を目指し、コンソーシアムを設立したと発表した。
一見スーツケース、実は視覚障害者の街歩き支援ロボ
身内に視覚障害者がいるので、こういうニュースがあると嬉しく感じます
開発に参加する浅川智恵子さん自身が視覚障害者とのことで、スーツケースを持ち歩くと移動の際に障害物を避けやすいというご自身の経験から着想したそうです
写真を見ていると盲導犬をつれているような感じですね
盲導犬の訓練には10ヶ月かかるそうです
それが理由かどうか分かりませんが、視覚障害者への供給が不足しているようです
盲導犬を待っている人が3,000人もいるのに、日本の盲導犬の数は1,000頭にも満たず、圧倒的に不足している
日本盲導犬協会50周年記念誌
「不足する盲導犬の代用」とビジネスを考えると、3,000人は小さな市場規模のように思えますが、このスーツケース型誘導ロボットのユーザを高齢者に広げると凄いことになるとおもいませんか
歩行補助のために歩行器を引いている高齢者の方をよく見かけますからね
まだ共同開発の段階ではありますが、事業として花開くことがあれば、タイバーシティ・インクルージョンを実践していることになります
従業員一人ひとりの多様性(ダイバーシティ)を受け入れる(インクルージョン)ことに加え、組織の一体感を醸成することで、個人も組織も成長や変化を推進していくことになるからです
視覚障害者が世界を自由に探索できるように
浅川さんは4年前にTEDで講演を行っています
「視覚障害者が世界を自由に探索できるようにする新技術」という題目です
技術を使って視覚障害者の生活の質の向上を上げる取り組みのお話をされています
志の高さに感動して思わず涙してしまいました
ちょっと面白いなと思ったのが、視覚障害者のために開発したものが一般の人々にも役に立っている技術として、電話と電子書籍が紹介されていたことです
このことから彼女は「アクセサビリティがイノベーションを刺激する」と主張します
見えないことを見えるようにすることがイノベーションを生み出していくという考えです
彼女の話に聴衆たちの共感を得ていることが映像で分かります
なお、この講演で紹介されている技術がスーツケース型誘導ロボットの開発に繋がっていることがよく分かります
失明という経験が仕事の意味を見出す
講演では、14才の時に事故により失明し、その体験から視力とともに自立性をも失ったと語っています
何をするにも人の手助けが必要だからです
失った自立性を取り戻すべく、点字編集ソフトやホームページ読み上げソフトのような視覚障害者を支援する製品を開発し、今回のスーツケース型誘導ロボットに至っています
彼女は仕事の意味をここに見出しているのです
彼女の高い志に感銘を受けた技術者が彼女の研究に参画し、社会に貢献する成果に繋がるようになればいいなあと思いました
浅川さんは仕事を楽しくするヒトであり、素敵なヒトでもありますね