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前回にひきつづき、産業・組織の心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します
個人と組織の関係(つづき)
この個人と組織の関係に働くキーワードには以下のものがあります
信頼関係
仕事はひとりでできるものではないので、関係者との間での協業が必要となります
「この人となら一緒にやっていける」
そのような信頼関係に結ばれたもの同士の組織は強いと思います
ゆえに組織において信頼関係を築くことは重要です
どのようにすれば信頼関係ができるのでしょうか
対人感情(人に対する感情)には好意、嫌悪、優位、劣位といったものがありますが、人の信頼関係を築くには、好意的な感情がベースにあることが必要です
相手に好意的に感じていれば「相手をもっとよく知りたいし、自分を知って欲しい」、「気を許して安心したい」という親和的欲求が生まれる他に、援助的欲求の「相手を助けてあげたい」、「困ったら相談してあげたい」という気持ちや、依存欲求の「何かあったら助けて欲しい」「一緒にいたい」という気持ちが生まれ、このことが相手との対人関係をより強くするからです
よって信頼関係を築くには、好意的感情を育む施策が有効です
ところが、若手社員を持つ上司は自分の方が経験が豊富であることから、「自分の方がよく知っている」と思いがちになり、「部下をもっとよく知りたい」という気持ちを失いがちです
なので、「知らない」ということを認めて、知る努力を続けることが相手との間に信頼関係を築けることであることを自覚しなければなりません
例えば、若手社員がプライベートなことで課題を抱えていれば、仕事中であってもそのことが頭から離れずに、仕事に打ち込めないものです
そんな様子が見えたら、「部下をもっとよく知りたい」という関心を持って話を聞いてあげます
これにより助け合いとか絆が深まって、社員同士の信頼関係が強まり、チームワーク力、そして自分で頑張る力が高まるので、働きやすい職場に繋がります
また、会社では、ことを性急に進めるあまり、関係者全員の納得を得ることより結論を急ぐことがあります
近視眼的な活動に偏ると、全員の納得感が得られず、組織の一体感を失っていきます
「結論を出すことよりも関係者全員の納得を得る」といった時間や手間のかかることに手を抜かず、信頼関係を高めることも大切です
このように信頼関係を高める知識を持っていることが組織風土を変えていくために必要となります