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組織風土改革を行う上で必要な理論には以下のものがあります

  • 産業・組織心理学
  • モチベーション理論
  • コミュニケーション理論
  • カウンセリング心理学
  • パーソナリティ理論
  • 労働関係法規の理解

ここからは、カウンセリング心理学に関連する知識についてご紹介します

カウンセリング

カウンセリングとは言語的および非言語的コミュニケーションを通して、健常者の行動変容を試みる人間関係である(出典:カウンセリング辞典、國分康孝編)

カウンセリングと似ているものにサイコセラピーがありますが、サイコセラピーは、病者を対象とし病理的なパーソナリティの変容を主たる狙いとしています

従って、健常な社員が職場で活き活きと意欲的に働くように行動変容させて職場を活性化させるような場合、この行動変容のために社員の間で築かれる人間関係がカウンセリングとなります

このような社員の行動変容を促す役割は、職場のマネージャになるのではないでしょうか

その様に考えると、マネージャはカウンセリングの知識が必要となります

組織風土改革には組織管理へのアプローチと個人へのアプローチがありますが、カウンセリングの専門家がマネージャにカウンセリングの指南をするのは組織管理へのアプローチとなります

また、カウンセリングの専門家が組織開発の目的で職場に介入する方法も組織管理へのアプローチとなるでしょう

一方で、カウンセリングの専門家がカウンセリング心理学などの知見や原理を生かして、社員の対人関係スキルの開発や意識改革を行うのは、個人へのアプローチとなります

カウンセリング心理学

カウンセリング辞典(國分康孝編)によると、カウンセリング心理学とはカウンセリングという人間関係を研究対象とする心理学であり、以下の問いに答えるものです

  • 人間とは何か
  • 人間の性格・行動は如何にして形成されるのか
  • それは如何に分類されうるか
  • または測定されうるか
  • 問題行動は如何なる機制で発生するのか
  • なおるとは何か
  • 健常とは何か(すなわち、カウンセリングの目標は何か)
  • クライエントの行動変容のためには如何なる条件が必要か

カウンセリング心理学という独立した知識体系はありませんが、性格論、心理テスト、カウンセリング理論、面接技法、職業発達論、職業指導、方法論(例:グループ・アプローチ、結婚カウンセリング、家族療法)、文化とパーソナリティ、研究法(リサーチメソッド)、ガイダンスなど、一連の科目群をカウンセリング心理学と総称しています

このような科目は実際に職場の中で取り入られています

採用の場面では、応募者の性格診断を行い、採用や配属の参考材料としますし、面接技法は採用面談、評価面談といった場面で使われます

一人の社員と職業との関わり合いは、一生涯の発達過程を経て発達し続けるという考えのもとに、それぞれの段階で社員が抱える課題を克服しながら成長を促すことに関わっていくために、職業発達論、職業指導が使われます

組織風土の改善を目的として組織に介入するための方法論として、グループ・アプローチが使われたり、組織風土の理解のために、文化とパーソナリティなどの知識が必要となりますし、組織風土の評価のためには従業員意識調査のようなリサーチメソッドが必要となるでしょう

このようにカウンセリング心理学に関する知識を持つことが組織風土を変えていくために必要となります

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