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前回にひきつづき、産業・組織の心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します
個人と組織の関係(つづき)
この個人と組織の関係に働くキーワードには以下のものがあります
意味
意味の定義は以下の通りです
物事がある脈絡の中で持つ価値。重要性。意義。(出典:大辞林)
風土改革において意味を考えることが必要であることを、個人と組織のそれぞれとの関係で述べます
個人と意味
斉藤孝さんは、著書で意味のことを次のように述べています
人間は、常に意味をやりとりしている。意味を食べて生きている動物である
「頭がいいとは文脈力である」齋藤孝
「意味を食べる」とはどういうことかというと、「人は何をするときでも意味の無いことをしたくない」ということです
その人にとっての「意味」を掘り下げていくと、価値観に繋がっていきます
ところが、人は自分の価値観に無自覚であるため、意識的に問いかけることが必要です
例えば、第三者による問いかけやワークが効果的です
例えば、ある社員の価値観が「貢献」であれば、彼にとっての「意味のある仕事」とは「貢献に繋がる仕事」であることが分かり、そのような仕事に携わると、仕事のモチベーションが上がります
いわゆる「意味のある仕事がしたい」というやつです
このように意味を個人との関係で考えることは、仕事のモチベーションに関わることになります
組織と意味
一方、意味を組織との関係で捉えるとどうなるでしょうか
それは、組織の存在意義を考えることとなります
「組織」を「企業」に置き換えると、存在意義を考えることはとても重要になります
企業は社会によってその存在意義を認められなければ存続することができないからです
従って、企業が事業を大きく見直すような場面では、企業の存在意義を問うことも必要となります
また社員は意味を食べて生きているので、企業は社員に意味を与える存在でなければなりません
外に向けては存在意義を認められる存在であって、内に向けては意味を与える存在であり続けるということです
そのような組織風土を維持し続けると言うことです
このように意味に関する知識を持つことが組織風土を変えていくために必要となります