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前回にひきつづき、産業・組織の心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します
個人と組織の関係(つづき)
組織風土
大辞林によると組織風土の定義は以下の通りです
組織風土 その組織の者が感じている組織内の雰囲気や印象などの特性。
組織風土の定義の中には、その構成要素をハード的要素とソフト的要素に分類して整理して分かりやすく説明しているものもあります
仕事意欲の向上から考える組織風土
組織風土の定義を正しく捉えることは大切ですが、どういう組織風土を目指すのかということを考えることも大切です
「場の理論」を提唱した K.レヴィンは、「人間のあるときの行動(Befavior)は、その人の個人特性(Person)とその時の環境や状況(Environment)の関数(Function)として捉えるべきである」と考えていますが、この「その時の環境や状況(Environment)」を組織風土と捉えることもできます
働く人たちが職場で活き活きと意欲的に働くことができ、遣り甲斐や自己の存在意義を感じられるといった「仕事意欲の向上」という観点から組織風土を考えるのでしたら、場の理論の考え方から組織風土改革を始めるのがよいでしょう(こちらの記事をご参照下さい)
ゆたかな社会に相応しい組織風土
宇沢弘文先生は経済学で人々の幸福実現を目指した経済学者です
彼は「ゆたかな社会」を次のように定義しました
各人がその多様な夢と願望に相応しい職業につき、それぞれの私的、社会的貢献に相応しい所得を得て、幸福で、安定的な家庭を営み、安らかで、文化的水準の高い一生をおくることができるような社会
この「ゆたかな社会」の実現のために企業や団体が備えるべき組織風土は、
- 社員や構成員の夢や願望の多様性を受け入れ
- その実現は社会貢献にも通じるような仕事を割り当て
- 一方で企業や団体は社会における恒久的な存在意義を保ち
- 社員や構成員の仕事の達成に相応しい処遇を与える
だと思います
このような組織風土をもつ企業や団体は社会に受け入れられ、未来永劫の存続が約束されるでしょう