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前回にひきつづき、産業・組織の心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します

個人と組織の関係(つづき)

この個人と組織の関係に働くキーワードには以下のものがあります

哲学

哲学は一見自明とされていることを問い直し、ものごとの本質を筋道立てて考える学問です

企業や組織において哲学を学ぶ場面は少ないでしょう

しかし、哲学的思考は以下の場面で有益です

  • イノベーションのきっかけ
  • 戦略の浸透
  • 共通理解

哲学では、筋道を立てて考える論理的思考力に加えて、批判的思考力も必要です

人は慣れ親しんだ環境下で物事を判断してしまうので、疑うべき常識前提条件を特定することが、イノベーションを起こします

また、ミドルマネジメントにおいては、経営トップが唱える方針や戦略のような一見自明と思われることを、自分の立場に置き換えて問い直すことで、自身が繰り出す方針に重みを加えたり、説得力を増すことができそうです

その結果、会社の方針や戦略が自分の部下たちに浸透することとなります

この哲学的思考を部下と交えて行うことにより、職場の中での共通理解を深めることにも繋がります

哲学的思考は組織だけでなく社員一人ひとりにとっても有益です

「これが私の哲学だ」というセリフを耳にすることがありますあ

これはその人にとっての「よりよい人生を過ごすためのコツ」を表しています

社員一人ひとりが「よりよい人生を過ごす」ことに真剣に向き合い、「これが私の哲学だ」と言えるようなものを哲学的思考の中で見つけ、それについてお互いに話し合うようなことを会社の中でしたらよいと、私は思います

人は、仕事に意味を見出すと、モチベーションが芽生えます

社員一人ひとりが前向きな働き方ができるようになります

お互いの哲学を知るもの同士だから、相互理解があり、結束力の高い組織が築かれるようになります

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