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ここでは、産業・組織の心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します
産業・組織の心理学は、個人と組織の関係に関わる領域を扱っており、組織風土を理解する上で中核となる理論です
個人と組織の関係
組織に属する個人は、人間的成長といった個人的な欲求を満たす機会を提供し、正当に評価をしてくれれば、組織に対して役に立つように振る舞います
他方で、組織も個人が組織のために最善を尽くし、組織目標の達成に寄与してくれれば、個人を保護し、職責の拡大などを通して個人の成長に関わる支援を行うでしょう
このような個人と組織の間でWin-Winの関係が築かれていれば、良好な組織風土を生むことができます
この個人と組織の関係に働くキーワードには以下のものがあります
共感
共感という用語は大辞林によると以下のように書かれています
① 他人の考え・行動に,全くそのとおりだと感ずること。同感。「―を覚える」「彼の人生観に―する」 ② 〘心〙〔sympathy〕他人の体験する感情を自分のもののように感じとること。 ③ 〘心〙〔empathy〕 →感情移入(かんじよういにゆう)② (大辞林)
同僚や仕事上の関係者などと喜びや悲しみを分かち合い、共感することで、人々はつながることができます
この情緒的なつながりが様々な規模のコミュニティを築き上げます
共感は人間が社会を形成していくために必要不可欠な能力です
人には左脳と右脳があります
左脳は論理をつかさどり、理解と納得のために使われます
一方、右脳は感情をつかさどっており、共感で使われるのはこの右脳です
「理解できるけど、やる気が起きない」というのは、「左脳では理解しているけど右脳でやる気スイッチが入らない」という状態です
仕事は一人で成し遂げることはまれで、周りの人の協力なしではいられません
人びとの繋がりをもたらし、一体感のある組織を築くためには、感情に働きかけ人を動かすことが必要となります
このように個人と組織の間でWin-Winの関係を築くには共感に関する知識が必要となります
次回も産業・組織の心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します(つづく)