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前回にひきつづき、産業・組織の心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します
個人と組織の関係(つづき)
この個人と組織の関係に働くキーワードには以下のものがあります
一体感
一体感とは、社員の一人ひとりが一体と感じている感覚です
一体感を職場で醸成するには様々な方法があります
ベクトルのところでお話しした通り、リーダが社員の個人目標と組織目標を適合・調和させるように働きかけることで一体感を作り出す方法がそのひとつです
これには、組織のビジョンを浸透させて一体感を作り出す方法や、社員一人一人に1on1ミーティングなどで働きかけて行う方法がありますが、いずれも社員の共感を誘うように行われます
一体感はリーダーシップによって作られますが、時に痛みを伴う一体感が必要となることもあります
それは、非常時の場合です
映画「七人の侍」の例になりますが、島田勘兵衛が川向こうにある3軒の農家を守りきれないと判断して、その家主である農民を強制的に避難させ、残りの20軒の農家を守ろうと決断するシーンがあります(詳しくはこちら)
このときの勘兵衛のリーダシップは、川向こうの3軒を見捨てるという痛みを伴う一体感を作り出しています
また、制度を使って社員に一体感を持たせる方法もあります
代表的なものに、昭和の時代に行われてきた日本型雇用システム(一括採用、終身雇用、年功序列)があるでしょう
この制度により、個人の組織に対する強いコミットメントと、組織全体の利益を優先して、必要ならば自己犠牲を払ってでも全体の目標達成をアシストしようとする行動を社員に促し、戦後の高度成長期を支えてきました
一体感がどのようにして組織に作られていくかという知識を持つことが組織風土を変えていくために必要となります