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前回にひきつづき、カウンセリング心理学の知識が組織風土改革に必要な理由についてご説明します

コーチング

コーチングとカウンセリングの手法はよく似ています

実際に、コーチングではカウンセリングの質問技法を傾聴をつかいます

それぞれの定義にもそのことが現れています

(コーチングとは)目標を達成するために必要となる能力や行動をコミュニケーションによって引き出すビジネスマン向けの能力開発法。〔1960年代からアメリカで広まった〕 (出典:大辞林、()内は筆者追記)
カウンセリングとは言語的および非言語的コミュニケーションを通して、健常者の行動変容を試みる人間関係である(出典:カウンセリング辞典、國分康孝編)

スポーツの世界でもコーチが存在するように、その立場になるための特別な資格を必要としないため、誰でも自称できそうです

それでもコーチング養成を生業とする団体は、コーチングとカウンセリングやコンサルティング等との違いを説明するために、「カウンセリングは過去に着目し、コーチングは未来を扱う」とか「カウンセリングはマイナスからゼロにし、コーチングはゼロからプラスにする」というような違いを説明していますが、あまり的を射ている説明とは言えません

化粧品業界でもカウンセリングがありますが、上記のようなコーチングとの違いの説明を聞いたらきっと怒るでしょう

産業界のカウンセリングでも、キャリアカウンセリングのように未来のキャリアをテーマとしているものもあります

いずれにせよ、クライエントを客体化させ、成長に向かわせるプロセスが、カウンセリングとコーチングではよく似ているので、私自身も使い分けが難しいのですが、私の場合、プロジェクト管理といった専門知識を背景に、カウンセリングプロセスを使って1対1でプロマネを育成する場合は、コーチングと名乗り、そうでない場合はカウンセリングと名乗ります

組織風土改革の個人へのアプローチはコーチング、組織管理へのアプローチはカウンセリング、かもしれません

産業カウンセリングでは、モチベーション理論や産業・組織の心理学といったマネージメントに関わる専門知識をバックグラウンドに、組織運営職向けの指導が可能なので、こういうところはコーチングと重なると思います

詳しくは「管理職こそ、セルフケアが必要」をご覧下さい

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